[1070](寄稿)パルスオキシメーター

 
ペンギンドクターより
その2
 次はパルスオキシメーターの話です。
 病院の事務長に個人的に注文していたものが届きました。価格は8000円ほどですが、まだ請求書は来ていません。出入りの業者に頼んであるので少し安くなるはずです。
 私の場合、97%で正常です。ご存知のように、パルスオキシメーターは指の爪下の動脈を流れる赤血球の酸素飽和度を測定しています。正常値は95~98%です。もちろん高山にいけば酸素濃度が薄いので低下します。肺の病気や心臓疾患で低下します。一酸化中毒の場合は、当てになりません。呼吸回数が増えていると通常より上昇して99%や100%を示す場合もあります。また冷たい指(循環状態が悪い)で測定すると低く出ます。
 私は医院の人と木曽駒ヶ岳(ロープウェイで2600メートル付近に行けます)に行った時、パルスオキシメーターを持参したことがあります。私は正確な数値は忘れたものの93%ぐらいでしたが、K子先生(タバコを吸っている)は91%ぐらいで、彼女は恐れをなして歩き回ることをやめていました。また、息苦しがっていた観光客の子どもを見かけて、測定したら90%前後の値だったので、早く下山したほうがいいとアドバイスしまいました。子どもの場合は不安感もあったのでしょうが、苦しそうでした。在宅医療には欠かせない機器です。
つづく

[1069](寄稿)5回目のワクチン接種

ペンギンドクターより
その1
 
皆様
 朝晩はずいぶん寒くなりました。いかがお暮しでしょうか。
 私は一昨日11月9日(水)に5回目のコロナワクチンを接種しました。接種券が来たので、どこで接種するか女房がネットで最も早い日赤での接種を予約してくれたのです。Y記念病院は一般の人々の接種はしていなくて、職員の対象者がまとまったところで接種するための日時を設定するので少し遅れることになります。インフルエンザワクチン接種もありますし、例外的にコロナ・インフルエンザ両ワクチンの同時接種ないし接種間隔二週間という規定はないとはいえ、早く接種する方がいいと判断しました。今までは翌日の仕事のない金曜日に接種したのですが、今回は水曜日の午後にしました。日赤は手慣れたもので、流れ作業的にスムースに接種できました。水曜日は料理の日でしたが、午前中に料理準備のほとんどは片づけて準備万端でした。いつものように日本酒を少し呑んでいい気分にもなりました。
 さて、翌日は仕事です。前回の経験から多少の副反応は覚悟していましたが、体温測定では36.8度、いつもより2分程度高めでした。前日のレントゲン読影と前日の21名の胃内視鏡(GF)の結果入力、47名の一般検診の診察、1名の乳がん検診、17名の胃内視鏡前の問診(半分はナースがしてくれます)など、忙しく仕事をしているうちに、朝からの注射部位に加えて全身の筋肉痛がひどくなってきました。熱も出てきたようです。ミスをしないように注意しながら何とか仕事を終えることができましたが、後刻ナースがGF所見の判定(文字入力はしていて、分類のための数字入力が抜けているだけで重大な問題ではありませんが・・・・・)が二か所抜けていることを指摘してくれました。注意していても体調不良では何らかのミスが起こります。
 私の場合、他の医師と異なり、レントゲン読影の仕事も同じ日にヴォランティアでやっているので、なるべく早く片づける必要があるのです。従ってナースや事務には、私の場合ミスや抜けがあるから、注意してチェックするように伝えてあります。また遠慮なく教えてくれと言っています。おかげで、私の所には他の医師の「ミス」の訂正の可否も質問してきます。おかしいと思ったら、結果的に大したことでなくても確認する態勢を作っておくことは大切なことです。
 幸い食欲はあり、昼食は普通に摂り、12時40分に女房の迎えで帰宅しました。自宅への車中で、女房の勧めどおりに「今日の散歩は中止する」と宣言しました。そして帰宅後すぐに昼寝を2時間もやりました。いつもは15分で目が覚めるのですが、断続的に2時間も寝てしまいました。体温は37.2度でした。全身の筋肉痛も相変らずでした。
 そして注射2日後の今日は、注射部位の局所の痛みがわずかにある程度で、発熱もなく快調です。微熱とはいえ、新型コロナワクチンの副反応の不快さは、それが消えてみるとよくわかります。         
 
日経メディカルオンラインで、オミクロン株(死亡率が少なく、重症化も少ない株だという意味)の蔓延以後、新たにワクチン接種をしないという人が増えているという情報があります。副反応の不快さを経験した「若い人」はワクチン接種をしたくないというのも理解できます。ただ、高齢者の場合、やはり接種は続けた方がいいと思っています。
 
 さて、昨日は散歩を中止したせいで、一日の歩行数は2000歩余りでした。昨年2021年11月9日の雨で散歩中止以来、2021年11月10日から2022年11月9日まで連続365日続いた歩行数8000歩超がついに途切れてしまいました。女房曰く「まる一年続いたのだから、ちょうどいいのじゃない?新たに今日から開始でしょ。昨日散歩して引っくり返ったら取り返しがつかないでしょ」とのご託宣でした。確かに昨日は少しふらつくような状態でした。恐らく仕事がなければ昼頃までゆっくり寝ていて午後には散歩もできたと思います。前回・前々回のワクチン接種がそうでしたから。まあ、まる一年8000歩を続けただけでいいとします。
つづく
 

[1068](投稿)雑感

 
 題  雑感
 秋も深まり、近所を散歩すると家壁 を被うつたの葉の紅葉は鮮やかで、風景画を観ているようです。
 ブログ「1060」ブチャの”別の戦争”を読みました。11月1日のクローズアップ現代を私も見ました。「住民虐殺」の町ブチャの日常生活の一端が写し出されていました。
 私にとって衝撃的だったのは、今  仮設住宅の住民たちの世話をしているウクライナ東部出身の 中年の女性が「東部から何をしに来たのか 」と非難され  、いわれなき差別に苦しんでいる事実でした。人間同士の分断が深く進行しています。これはプーチンウクライナ侵略によってもたらされたものだと私は思います。
 
 ところで、岸田政府は、環境に優しいエネルギーと称して原発の再稼動を推し進めています。
 今年の6月30日、大熊町(福島第1原発に最も近いところ)は、帰還困難 地域を除いて避難指示を解除しました。名ばかりの復興にならないか危惧します。
 エピソードを紹介します。大熊町の町会議員である木幡ますみさんが、2018年発行された雑誌 NO NUKES voice 2018 vol15で、2004年、当時東電の社長だった勝俣氏に「自家発電が上にない、津波が来たらどうやって電源を確保するのか」と質問したところ、彼は「津波なんて絶対来ない、もし来たら俺が何とかする」と発言したことが報告されています。事故発生の7年前に問題点が指摘されていたにもかわらず放っておいた東電の責任は測りしれません。
 また、「事故から4年位経った頃、大熊町の自宅に一時帰還した時、母屋の中にイノシシがいた。しかもそのイノシシが酒臭い。お葬式が終ったばかりで自宅にはお酒がいっぱいあった。その酒をイノシシたちが全部飲んだ。千鳥足だったりして皆酔っぱらって踊っているよう、イノシシの宴会だった。」と”症例“報告しています。
 福島のイノシシは原発事故後急増しましたが、最近激減しているとのことです(NHK福島NEWS WEB  2022年10月26日)。イノシシが豚熱(ぶたねつ)というウイルス感染症に多数罹患、致死率が高いため激減したと言われています。
 
 環境破壊は世界中で進行しています。解決の道は見えませんが、まずは「人災」をなくすことだと思います。
 
 壁のぼるつたの葉の紅葉みごとなり
 ウクライナ東部から来た人はじかれる
 福島のイノシシたちは今いずこ
              井上 正人

[1067]一年前、二年前の同じ時期の記事

 はてなブログさんから過去の同じ時期の記事を送っていただきました。過去のブログを読み返してみると、あっという間に過ぎ去った出来事の記録のようでもあります。けれども、ブログに刻んだ当時の私自身の思いや、投稿者の当時の社会的現実への危機意識が映し出された文は、歩んできた二年の重さを感じさせます。これからもコツコツ書きていきます。

皆さんよろしくお願いします。

 
 

 

はてなブログ

はてな userid id:new-corona-kikiさん

1年以上の長きにわたってブログを継続いただいているユーザー様を対象に、 過去の同じ時期に投稿した記事を振り返るメールをお送りします。

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[1066]「法相は死刑のはんこ押す地味な役職」

 

 葉梨康弘法相は9日会合で「だいたい法相は朝、死刑(執行)のはんこを押す。昼のニューストップになるのはそういうときだけだという地味な役職だ」とのべたそうです。(10日日経新聞参照)

 驚きました。

 この人は、国家権力の代表者として人間を縊死させる行為を命じることを単なるはんこ押しだと思っているようです。

 官邸に指示され10日の参院法務委員会で行なった反省の弁。「職務を軽んじているような印象を与えた。おわびを申し上げ撤回する。」

 この人は何にも考えていない。当初擁護しましたが一転して更迭した岸田首相は、こういう人を部下として使いやすいと考えたのでしょう。葉梨は警察官僚だったそうです。

 こういう人を法相にした政府が君臨する時代は危うい。

[1065]AIの導入とジョブ型雇用

 

 リスキリングとジョブ型雇用が広がっています。日経新聞が813社にアンケートした結果を4日発表しました。

日経のウエブから引用します。

 

リスキリングでAI人材育成 140社が実施

人的資本の価値最大化 

ジョブ型雇用も2割 

 日本経済新聞がまとめた2022年の「スマートワーク経営調査」で、人工知能(AI)を使いこなせる人材をリスキリング(学び直し)で半年以上かけて育てる主要企業が約140社に達した。高度人材などの職務内容を定める「ジョブ型雇用」も2割が導入する。紛争や感染症が招いた経済秩序の混乱を乗り切るため、スキルや発想に富む人的資本の価値を最大化する経営が広がる。

 引用以上

 欧米資本主義諸国や国家資本主義中国との国際競争力で大きく水をあけられた日本の企業。政府のバックアップを受けた資本家•経営者は製造業であれサービス業であれ、労働生産性を向上させるために労働手段を技術化(AI化)し労動組織·労働力の技術性を高度化する(リスキリング)ために大童になっています。これから労動者の階層分化と格差が広がります。AI化された労働手段を使いこなすために労動者は心身を擦り減らすことになります。

 日経新聞は4日の朝刊の17面から21面に渡って「Smart Work」特集を組んでいます。

 変えられる労動者の働き方に焦点を当てて考えてみます。

 先に引用した日経記事の「人的資本の価値を最大化する経営」という言葉に端的に示されています。

 人的資本とは買い入れた資本としての労働力商品と言ってもいいと思います。人的資本の価値を最大化するとは、労働市場で投じた貨幣資本の価値量を上回る最大の剰余価値を生産過程で生み出すように労働力商品の使用価値を消費することと言っていいでしょう。

 それは労働生産性を高度化することによって可能になります。資本家階級はそのためにAIを開発し生産過程に導入しています。

註∶ 

 AIとは人工知能、アーテイフィシャル•インテリジェンス(artificial intelligence)の略。 

 ウィキペディアによると、AI(エーアイ)とは、「『計算(computation)』という概念と『コンピュータ(computer)』という道具を用いて『知能』を研究する計算機科学(computer science)の一分野」を指す語[1]。「言語の理解や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術」[2]、または、「計算機(コンピュータ)による知的な情報処理システムの設計や実現に関する研究分野」ともされる。

日本大百科全書(ニッポニカ)』の解説で、情報工学者・通信工学者の佐藤理史は次のように述べている[1]。 「 誤解を恐れず平易にいいかえるならば、「これまで人間にしかできなかった知的な行為(認識、推論、言語運用、創造など)を、どのような手順(アルゴリズム)とどのようなデータ(事前情報や知識)を準備すれば、それを機械的に実行できるか」を研究する分野である[1]。 」

つづく

[1064]中古ミサイル、戦車も輸出•無償供与へ

 政府は、輸出できる武器の範囲を広げようとしています。岸田首相の「聞く耳」は防衛省軍事産業の言うことを聞き入れる耳のようです。憲法9条は実質的に空洞化させられています。

 以下、11月6日の日経新聞です。

 政府は自衛隊が持つ中古の防衛装備品の輸出条件を緩和する検討に入った。いまは海外への提供を禁じる戦車やミサイルを対象に加える案がある。アジアの国への無償提供も視野に入れる。中国の軍事力の拡大を踏まえて防衛当局間の協力強化につなげる。

 年末に改定する国家安全保障戦略で防衛装備品の海外移転の緩和方針を明記する。現行の「防衛装備移転三原則」の指針や自衛隊法の改正が必要になる。2023年中の実現をめざす。...

 

 政府はウクライナに武器援助して軍事大国の仲間入りしたいということと、古くなった武器を供与して一掃してしまいたいというのが本音なのでしょう。兵器産業は新しい兵器をつくって売って、買った国は殺戮と破壊に使う。後は野となれ山となれとうわけです。

 岸田首相は安倍元首相を超えるタカ派です。