[853]米アマゾンで労組結成案、従業員投票で可決

f:id:new-corona-kiki:20220404184227j:plain 
 アマゾンで働く労働者が労働組合を結成します。ニューヨークのスタテン島にあるアマゾンの倉庫「JFK8」で働く従業員の投票が行われ、投票総数4785、賛成2654、反対2131で労組結成が決まりました。賃金引き上げや休憩時間の拡大などで会社と交渉することになります。2月の物価上昇率は7·9%で賃金上昇率6·5%を上回りアメリカの労働者の生活は苦しくなっており、これからも組合の結成が広がる状況です。ブルームバーグ通信によると、2021年のアマゾンCEO(最高経営責任者)アンディ・ジャシーの給与は、世界で働くアマゾン労働者の賃金(中央値)の6474倍だったといいます。
 カリフォルニア大バークリー校のケン・ジェイコムス労働調査教育センター所長は次のように言います。 
「我々が目の当たりにしているのは、労働者の反乱だ。全米のアマゾンの倉庫で労組結成の動きが広がるだろう。」

 アマゾン社は物流拠点を中心に世界で160万人以上の労働者を雇用しています。経営者は一貫して労組結成に反対し、創業以来28年間、組合はありませんでした。今回も組合結成に反対する特設サイトをつくって賃金など労働条件改善の努力をしてきたことをアピールしていましたが、アマゾンの労働者は弾圧に屈せずついに労働組合が結成されます。
 
(日本では経営者が労働組合結成に反対する行動をとることは労働組合法で禁止されています。しかし昨今、法違反することは承知のうえで公然と弾圧する経営者が多くなりました。そればかりか大きな御用組合が闘う組合を破壊することもあります。)

アメリカ労働運動は盛んに

 昨年12月にスターバックスの労働者が組合結成を決めました。コーネル大の調査によると全米で今年1~3月に95件のストライキがあり前年の2倍になりました。
 新型コロナ感染症の広がりは「格差社会」の問題をうきぼりにしました。労働者が感染症の犠牲になり、経済的にも富めるものと貧しいものとの格差が広がりました。バイデンも「株主至上主義」といわれる「成果の分配」の軌道修正を行おうとしていますが、弥縫策でしかありません。
 インフレ下で生活苦におちいっている労働者は組合結成によって団結して闘い、生活を守ることを宣言したのです。
 問題は闘いの質です。
 内外から御用組合化の働きかけがあるでしょう。負けないで頑張ってほしいです。
日本の労働運動は連合内の右派が企業利益と国家の防衛第一主義とでもいうほかないような労働運動に変質させられようとしています。
 この傾動を打ち破るためにたたかう日本の労働組合員は組合結成に向かう米国の労働者と連帯していきましょう。

 ウクライナ戦争の停戦交渉は、戦争で犠牲になった人々を盾にしたむごたらしいプロパガンダの応酬の場と化しています。
 ウクライナ戦争は全世界の国境を越えた労働者の反戦闘争によって止めなければなりません。

  日本の労働組合でたたかう労働者より