[885]「物価上昇の甘受は民主国国民の自由を守る戦いだ」(日経新聞コラム)


 5月13日の日経新聞のコラム「大機小機」は「新たな戦争の形」という見出しです。
次のように結ばれています。
「自由はタダでは得られない。ウクライナは死を賭して戦う。物価上昇の甘受は民主国国民の自由を守る戦いだ。経済制裁は核が使えない時代の戦争の形である。(桃李)」
 プーチンの侵略に対する戦いは、背後から米国をはじめとする西側資本主義諸国家にバックアップされたウクライナ軍と労働者民衆が矢面にたった世界戦争となっています。
 そのことを大機小機の桃李氏が感じとりはっきり語っています。今のウクライナ戦争は経済制裁という形の戦争であり、その結果物価が上昇するのは自由を守るために甘んじて受け入れようというのです。まるで太平洋戦争下の日本で言われた「欲しがりません勝つまでは」と同じです。今の日本社会はロシアや中国が攻めてきたら戦うしかないのだと言う政府に従って、戦争へと流されていっていることに気づかなければなりません。
 今為政者が語る「自由を守る」ということの危険な意味を考えなければなりません。
 昨日は戸坂潤を描く演劇の紹介をしましたが、私は戦争初期の戸坂の文章『日本のイデオロギー』を読み返してみました。「自由主義」「日本主義」を批判的に省察しています。インターネットで戸坂潤を検索すれば、青空文庫で読むことができます。