[990]政府のGX実行会議 原発の新増設へ


 8月24日第2回GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議をリモートで主催した岸田首相は、原発の再稼働だけではなく新増設の方向性を明確に示しました。GX会議の趣旨は化石燃料中心の経済・社会、産業構造を二酸化炭素排出量の少ないクリーンエネルギー中心に移行させ社会経済システムをそれに見合った形に変えていくということです。
 岸田首相は7月27日の第1回会議では具体的には言いませんでしたが、第2回会議で次世代の原子炉の開発や建設を検討することを明らかにしました。これまで原発の新増設について岸田首相は「想定していない」としていました。
 ウクライナ戦争のロシアへの経済制裁の影響で原油LNGの価格の高騰や安定的供給が揺らいでいる状況下でカーボンニュートラルを理由として来年の夏以降、稼働している10基に加えさらに原発7基の再稼働を目指す方針を打ちだし、原発を新増設することをも明らかにしました。この会議には内閣の関係閣僚他、経団連の十倉会長や連合の芳野会長も参加しています。

芳野会長、原発の新増設にコメントせず

 福島第一原発事故後の放射性溶融燃料の取り出しの目途さえ立っていない中、芳野会長は第2回会議で脱原発を主張することなく、原発再稼働と新増設を事実上容認しました。
 これまで連合は旧民主党系野党支持を明確にして来ましたが、芳野会長は参院選では支持政党をにせず個人本位で是々非々でという言い方で組合員が自民党に投票することに道を開きました。原発については自分の足元の国民民主党系のトヨタ労連や電力総連、UAゼンセンなど大産別が原発に賛成しており、このまま政府方針に乗って進むでしょう。
 私は労働組合の下から反対の声を上げなければならないと思います。