[1252]与那国島自衛隊ミサイル基地の説明会

 防衛省与那国島に配備するミサイル部隊についての説明会が15日夜開催されました。

 住民からは他国に攻撃される危険性がかえって高まるなどと反対意見が多く出る一方、安心のためには必要だといった意見も聞かれたそうです。

 15日夜の説明会は地元の住民110人が集まりました。 この中で防衛省の担当者は、小銃の射撃訓練施設や火薬庫を整備する一方、配備予定のミサイルに敵基地攻撃能力はないことや発射訓練は行わないと言ったそうです。

NHKウエブニュースは次のように伝えています。

 「住民からは、自衛隊の配備で生活圏が狭まっていて、生活が脅かされるのではないかといった意見や、部隊の配備で攻撃される危険性がかえって高まるといった反対意見が多く出ました。 参加した60代の女性は『不安はこれで解消されたわけではありません。敵基地攻撃能力を持たないといっているが、そういう方向性ではないと感じました』と話していました。 一方、30代の女性は『ミサイルを打ち落としてくれる部隊の存在は安心のため必要だと思う』と話すなど、安心のためには必要だといった意見も聞かれました。説明会に向けて、今月10日、住民グループが防衛省の見解をただす質問書を沖縄防衛局に提出していましたが、説明会では回答せず、後日、町のホームページに掲載するということです。」

 説明会で質問書に答えると紛糾が予想されることがあり回答を避けたのでしょう。

 ミサイルは「島を守るための装備。反撃能力(敵基地攻撃能力)にはならない」という防衛省の説明に、住民女性は「台湾有事、すなわち与那国攻撃という意味ではないと思う。米国が使うためではないか」と批判意見を述べました。(日経新聞参照)台湾有事になったからといっても、だからと言ってミサイルで島を守らなければならないような事態は起きるとは限らないのに、ミサイル基地をつくるのは軍事同盟関係にある米軍が必要としているのではないでしょうかということです。

 防衛省側は「最悪の事態を想定する」といいますが、相手側が攻撃をしかけるということは相手にとって脅威とみられるようなことをするからです。昨年12月改定された安保3文書によれば政府が最悪の事態と判断したときには敵基地攻撃能力の行使、つまり先制攻撃をするということです。

 与那国島は戦争の最前線となります。米タイム誌に言われるまでもなく日本は急速に軍事大国化しています。