[1175](寄稿)医療あれこれ(その77)−1

ペンギンドクターより
その1
皆様
 ずいぶん日が長くなりました。もうすぐ3月だから当然ですね。ロシアのウクライナ侵攻から一年が過ぎましたが、戦争の終結は見えてきません。まだ3年は続くという論調も出てきていますが、誰にもわからないというのが実情ではないでしょうか。プーチン自身にもゼレンスキー自身にもわからないでしょう。戦争は相手があることですから、わかるわけがありません。
 エマニュエル・トッドの言うように、すでに第三次世界大戦が始まっているということなら、第一次と第二次のように4-5年続くというのもあながち荒唐無稽な話ではなくなっています。第一次大戦は、スペイン風邪によって終結へ向かったという説もあります。第二次大戦の場合は、終結の見通しが出てきたのは、チャーチルが待望したように「巨大国家アメリカの参戦」でしょう。しかし、第三次の場合は、そのようなきっかけが見当たりません。
 2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻は、新型コロナ蔓延から2年を経過し、コロナを無視する形で起こりました。(日本では欧米に遅れること約一年の今、ようやくコロナ政策が転換しようとしていますが)。つまり、ロシアはコロナが下火になったという前提で今の「ロシア・ウクライナ戦争」をはじめたように見えます。 
 NATOは直接兵士を出していませんが、ウクライナの人びともコロナを意識して戦っているようにはみえませんでした。私の情報不足かもしれませんが。
 第一次大戦を終わらせたのがパンデミックなら、スペイン風邪と同等の敵も味方もともに疲弊させる「何か」が必要になります。つまり、「戦争なんてしている場合じゃない。お互いが破滅だぞ」と思わせる「何か」です。「何か」の候補はあります。地球の温暖化に伴う「異常気象」「気候変動」です。しかし、それは今すぐ目には見えません。むしろ私が感じているのは、資源大国プーチンロシアは地球の温暖化を喜んでいるのではないかと疑っています。それは北極海が自由に航行できるようになるからです……。 
 荒唐無稽な私の妄想はこれぐらいにしておきます。
つづく