[1243]防衛産業の「国有化」法案に立民党が賛成

 防衛=兵器産業の「国有化」が可能に

 産業支援法案が衆院通過

 岸田政権は5月9日衆院本会議で、防衛産業(兵器生産企業)を支援する法案を立憲民主党日本維新の会、国民民主党の賛成のもとで可決しました。立憲民主党も賛成し、この法案に関して今国会は翼賛会になってしまいました。

 すでに兵器を生産販売している企業が経営危機になれば、国有化して生産を維持するという戦後の歴史を画する法案が衆院を通過したにもかかわらず、今日の朝日、毎日、日経新聞はベタ記事あつかいです。

 この法案で注視すべき事は企業が経営に行き詰まった際の「国有化」です。

 浜田靖一防衛相は「防衛産業は防衛力そのもの」と発言しており兵器産業を国家的プロジェクトとして発展させていこうとしているのです。護衛艦や戦闘機などの装備品をつくる企業は、三菱重工業川崎重工業三菱電機などの下請けも含めると数千社あり、市場規模は約3兆円とされています。企業危機にある兵器産業の救済を名目として、今後政府は 自衛隊の任務に「不可欠な装備品」をつくる企業と認定されれば、AI(人工知能)など最新技術の導入による製造工程の効率化や、サイバーセキュリティー対策にかかる経費を国が負担することにしたいのです。すでに2023年度当初予算に363億円を計上しています。

 武器輸出を国策化し、 国が経営危機と認める兵器産業から土地や製造施設を買い取りやがて国有化することにしたいというのが支援法案の眼目です。

 政府は戦車、弾薬など武器輸出の解禁も今国会でなそうとしており、防衛=兵器産業を日本国家の国策産業化する腹構えを具現化しようとしているのです。防衛産業救済はその一環なのだと思います。

 まさに、新しい戦前は野党を巻き込みながら21世紀現代日本に立ち現れつつあると見なければなりません。後になって、ああ、2023年が転回点だったと振り返っても遅い、その時には野党の翼賛政党への純化が進み、権力によって私たちの口は塞がれ行動は縛られています。油断していればそういう状況に気づかない日常に、私たちは慣らされていくことになります。現政権は憲法改悪を結節点として日本を戦争のできる国に仕上げていくつもりです。

いま声を上げましょう。