[1158]防衛産業の強化、情報漏洩に刑事罰

 政府は防衛産業活性化と国家統制の確立に向けて急いでいます。10日に防衛装備品の輸出を促進する基金の創設をふくむ防衛産業の生産基盤強化法案を閣議決定しました。

 政府は企業にたいして防衛装備品(兵器等)に関する原材料の輸入供給網の調査に回答義務を課し、国産化を国家として進めようとしています。そして「装備品等秘密」の情報漏洩に刑事罰を設ける案を閣議決定しました。

時事通信を引用します。

装備品輸出支援へ基金 防衛産業強化法案を提出―政府
2023年02月11日 時事通信

 政府は10日、防衛産業の支援に向けた防衛装備品の生産基盤強化法案を閣議決定し、国会に提出した。装備品を海外移転する企業を後押しするため、仕様や性能を変更する費用を国が助成する仕組みをつくり、そのための基金を設ける。防衛省は2023年度予算案に400億円を計上した。
 基金から助成金を支出する対象は、防衛相が事前に計画を認可した企業。移転先の要望を踏まえ、装備品の性能を変更する費用を国が肩代わりすることで、輸出を促進する狙いがある。
 また、(1)供給網(サプライチェーン)強靱(きょうじん)化(2)製造工程の効率化(3)サイバーセキュリティー強化(4)事業継承―の4分野に取り組む企業の経費を国が直接支援することも可能にする。
 これらの支援策によっても事業継続が難しい場合は、国が企業の生産ラインを買い取り、別の民間企業に生産を委託できるようにする。製造を引き継ぐ企業の固定費など初期投資の負担を軽減し、国内での生産基盤を維持する。
 自衛隊の装備品を製造する防衛産業は利益率が低く、撤退が相次いでいる。浜田靖一防衛相は10日の記者会見で「防衛産業は防衛力そのものだ。安定的な装備品の製造を確保していく」と支援策の必要性を強調した。
 支援の一方で、防衛産業の供給網を把握するため、防衛省による調査に企業が回答することを努力義務とする。企業関係者が装備品に関する情報を漏えいした場合、「1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金」との刑事罰も設けた。(2023/02/11-07:06)

 

 この閣議決定特定秘密保護法の適用対象に防衛装備品を加えるものです。閣議決定は戦時の政令と同じものになりました。

 こんにちの日本は、ごく少数の政府の要人たちが個人的見解を国家の政策として打ち出す異常事態が急速に進行しています。国会は国民の代表の決定というお墨付きを与える場として利用されています。

 労働組合は腰を据えて岸田政権の専制的な諸政策に反対の議論を活発化しなければなりません。