[1251]「タイム」誌、岸田首相 「平和主義から軍国主義へ」

 

 岸田首相の写真が米タイム誌の表紙に掲載されました。「日本の選択」とのタイトルで、「岸田氏は何十年もの平和主義を捨てて、日本を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と書かれています。

 その通りだと思います。外国メディアからみて岸田首相が軍事大国化を望んでいると報道するのは当たり前だと言えます。ところが日本の外務省がクレームを入れて変更されました。以下ANNニュースです。

 

5/12(金) ABEMATIMES

 政府は表紙の写真に、岸田総理大臣が掲載されているアメリカのタイム誌に対し、「日本を真の軍事大国にしたいと望んでいる」との見出しに異議を申し入れ、変更されたことがわかりました。

 「表題と中身に乖離があると指摘しました」(林外務大臣) ウェブ上で公開された次回号の表紙には「日本の選択」とのタイトルで、「岸田氏は何十年もの平和主義を捨てて、日本を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と書かれています。 政府の異議申し入れにより、ウェブ版の見出しは「岸田氏はかつて平和主義だった日本に、より積極的な国際舞台での役割を与えようとしている」と変更されました。(ANNニュース)

 

 物は言いようですが、訂正文は「平和主義だった日本」という表現は変えていません。以前は「平和主義だった」と見ているということです。「より積極的な国際舞台での役割を与えようとしている」という表現は平和主義を否定したアグレッシブなイデオロギーを表現しています。軍国主義と言いきるよりも不気味です。

 外務省は「表題と中身に乖離があると指摘しました」が、出版される雑誌の表紙には「岸田総理大臣は何十年も続く平和主義を放棄し、自国を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と書かれていてこの記述は変更されてないとのこと。

 タイム誌は岸田首相が「軍事大国にしたい」と発言していると報道しているわけではありません。岸田政権の敵基地攻撃能力の保持など諸施策をタイム誌が見てそのように判断したということです。もの見方・考え方の問題です。表題と中身に乖離があるとみるのは政府の見方であって、タイム誌の言い分としては、岸田首相を表紙の一文で端的に表現したということではないでしょうか。

 それにしても岸田政権はアメリカのタイム誌のごく常識的判断にまで口出しし始めました。日本の反対運動がおとなしいので何を言ってもいいという気になっているのでしょう。