[1136]ブレイディみかこの「欧州季評」その1

 朝日新聞ブレイディみかこさんの欧州季評が12日で最終回になるそうです。残念です。もっと書いてほしかった。

 冷静な目でイギリスの人びとの生活と闘いをリアルに伝えてくれました。

最終回は「いよいよ我慢できぬ英社会 『緊急2•0』地べたの抵抗」という見出しです。

 「この年末年始、少なくともわたしの周囲には浮ついたムードはなかった。」

 最終回の欧州季評の叙述の底にブレイディさんのイギリス政府の緊縮政策ににたいする憤りを私は感じます。

 イギリスではいわゆる「キーワーカー」と呼ばれる人々のストライキの輪が広がっています。看護師、救急隊員などの医療従事者、鉄道職員、郵便職員、高等教育の教職員、空港の入国審査官や税関職員などが立ち上がっています。

 ブレイディさんは彼らは好きこのんでストに参加しているわけではない、友人の看護師は最後までストに参加するかどうか悩んでいたと言います。彼女は人の命を預かる職業の人間が、自分の事情でストなんかするわけにはいかないという責任を感じていました。シングルマザーの友人は食卓に子どもたちの食事を載せる義務もあり、悩みながらストに参加しました。BBCの調査によれば64%の人々がストを支持しているという結果もあったといいます。

 生活費危機に苦しむ庶民は看護師の苦悩をわかっているのだと思います。前回の欧州季評で書かれていましたが、もう一度確認します

 夫を失くして公営住宅に住んでいるエルシーさんという女性は、光熱費が17ポンド(約2800円)から85ポンド(1万4千円)に上がり倹約のために一日一食にするだけではなく、暖房費を節約するために高齢者無料パスを使って一日中バスに乗っているのだそうです。

 私はバスにこそ乗りませんが、先日届いた電気ガスの高額請求には驚きました。日本の中低所得者層にとって公共料金、食料品の値上げは耐え難いものになっています。だからイギリスのストライキには無条件でエールを送りたい。

 日本の労働組合も物価値上げ反対、大幅賃上げのストライキをやってもいいのではないのでしょうか。もっとも日本の労働組合ストライキをするためには経営者、政府とテーブル囲んでお願いすることが一番だと考えている連合幹部をのりこえていく力が必要です。

ガンバロウ❗❗

おっと、日本の方に目がいってしまいました。明日はイギリスに戻ります。