[1358]トリチウムについて毎日新聞の解説

今日は9月3日ですが、24日の放出開始以来、政府、東電、メディアが毎日のように処理水の安全性を宣伝しています。一部の反対運動も追従しています。

 安全ではないから安全性をことさらに訴えざるをえないのです。トリチウムを含む処理水は汚染水と呼ぶのが正しい。タンクに貯められたトリチウムは1000兆ベクレルであり、薄めても絶対量は変わらない。しかもこの先も放射性物質入りの冷却水は毎日生産されます。反対運動は安全性をいうのではなく、とくに外部被曝より内部被曝と晩発性障害の危険性を具体的にいうべきなのです。在る方が無いより危険なのです。風評被害は気持ちの問題ではなく放射性物質トリチウムが海に放たれるという事実にもとづいているのです。危険性を訴えることが風評被害を助長するという非難が大々的に流されていますが、論理が逆立ちしています。

 毎日新聞がALPS処理水の海洋放出に先だって処理水の安全性を訴えていますが大きな誤りが含まれています。

 

ついに放出の処理水をおさらい トリチウムとは? 流して大丈夫?
2023/8/22 11:01(最終更新 8/27 00:04)

 東京電力福島第1原発の処理水について、政府は22日、首相官邸で関係閣僚会議を開き、24日に海洋放出を始めると正式決定した。そもそも「処理水」とは?「トリチウム」とは?海に流して大丈夫なのか?

「汚染水」との違い
 原子炉がある建物内には、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)が残っている。今も熱を持っているので水で冷やし続けなければならないが、核燃料に触れた水は高濃度の放射性物質を含んでいる。一方、建物の壁の割れ目などからは毎日、地下水や雨水が入り込んでいる。それが核燃料を冷やした水と混じると、64種類の放射性物質を含む高濃度の「汚染水」になる。

 敷地内には、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」と呼ばれる装置がある。装置の中にはフィルターのようなものがあり、ほとんどの放射性物質の濃度を国の基準値未満に下げたものが「処理水」だ。

 処理水などはすべて敷地内のタンクにためており、すでに1000基以上ある。計約137万トンの容量のうち、6月末時点で約98%が埋まり、ほぼ満杯だ。これ以上のタンクの増設は難しく、今後の廃炉作業に支障が出ると東電はみている。処理水の放出を急ぐのはこのためだ。

 

私の意見:毎日新聞の解説は、本来はタンクに貯めておく方が安全だということが前提にされている。

 

トリチウムって?
 放射性物質トリチウムは水素の仲間だ。化学的な性質も水素とほぼ同じで、自然環境の中ではほとんどが酸素と結びついて普通の水と混じっており、除去が難しい。

 ただ、トリチウムは「ベータ線」と呼ばれる放射線を出す。その力は弱く、紙1枚で遮(さえぎ)ることができる。空気中では約5ミリ、水中では約0.006ミリしか進めない。

 このため、放出前に処理水をさらに海水で薄めてから放出する。

 

私の意見:ここでは外部被曝する場合のことを言っている。β線の飛距離は短い。細胞を構成する有機物に取り込まれた有機結合型トリチウムβ線を出して近隣の細胞を傷つけます。飲み水に含まれるトリチウムは短時間で排泄されますが、有機結合型トリチウムは何年も細胞レベルで暴れます。トリチウム半減期は12・3年です。

 放射線治療の専門家は内部被曝のメカニズムをがん治療に応用しています。

つづく