[1476](寄稿)医療あれこれ(その99)ー1

ペンギンドクターより
その1
皆様
 寒いですね。年末年始は平年より暖かいそうですが、朝の冷え込みは厳しいものがあります。私のように朝4時過ぎに起きて医療クイズ挑戦から一日が始まる者としては早く春になってほしいと願います。
 
●凍死した野良のむくろを埋めてやり こうべを垂れる少年の冬
 
 子どもの頃、冬になると、五右衛門風呂の焚口の温かさを求めて野良猫が入り込み、朝の冷え込みで凍死していることが何度かありました。やせ細って骨の浮き出た猫の死骸を穴を掘って埋めてやったものです。家も建築後35年を過ぎて屋根も傷み、風呂の焚口のレンガも崩れ始めていて、子ども心に家が壊れたらどうなるのだろう、修理するお金があるのだろうか、と不安になったことを覚えています。
 
喜寿過ぎて足腰弱りし春なれど 芽吹き求めてさまよう老爺
 
 こちらは、来年の年賀状に記した「短歌」です。この年賀状で一部を除いて、年賀状じまいをします。約200通の賀状の数が5分の1以下になります。女房に頼んで印刷してもらっていたので彼女の負担も減少です。
 
 ケアネット 公開日2023/12/18
 我々の後輩である朝田隆氏:メモリークリニックお茶の水理事長・院長、筑波大学名誉教授、東京医科歯科大学客員教授のケアネットにおける連載です。
 一部省略したところがあります。
 
 レカネマブ遂に発売:4つのポイント
 アルツハイマー病の新薬レカネマブについて、12月20日に薬価収載されることが、12月13日の厚労省中央社会保険医療協議会中医協)で了承された。薬価収載と同日から発売となる。薬剤価格は、患者の体重にもよるが、基本は年間約298万円と決まった。また、最適使用推進ガイドラインについても了承された。使用にあたって4つのポイントをここに紹介する。
 1、治療ができる医療機関
 まずMRI機器が自施設にあり、ARIA(Amyloid-related imaging abnormarities)の読影ができることが求められる。
 以前に述べたように、ARIAは本剤の投与開始から数カ月間、多くは6ヶ月以内に発生する。その間、定期的にMRI画像を撮像することによってARIAの発生を的確に見出さなければならない。なお血管周囲の浮腫であるARIA₋Eについては、薬剤の投与をやめると数カ月以内にほぼ消失することがわかっている。けれども原則として出血であるARIA-Hについては治らない。それだけに認知症の関連学会ではARIA読影の講習会なども実施している。脳神経関連の放射線科医といえども読影の責任を負うことについては、慎重な態度を示す人が少なくない。
2、医療保険、高額療養費制度が適用
 本剤の発売にあたって、患者数をもとに推計される10年間の市場規模予測がなされた。年度別では、9年度目の2031年が最大となり、投与患者数が3万2000人で986億円と予測されている。
3、アミロイドPETにも保険が効く
 これまでアミロイドPETには保険が効かなかった。市価では30~50万円とされ、普通の患者さんにはなかなか手の届かない検査法であった。今回のレカネマブ発売に備えて、アミロイドPETの保険収載に関する検討もなされた。その結果、13万円台で保険が効く検査法になったと聞く。
4、原則18カ月の投与
 月2回、原則18カ月の点滴投与。
 実際にこの治験に参加した経験として、筆者は「本物」が当たった人は、ほぼ皆アミロイドベータが減少したり、消えたりしていることを経験している。けれどもそのことと、臨床的な効果とが相関したという印象は乏しい。いずれにしても様々な面で貴重な薬剤だけに、その臨床効果の厳密な測定は不可欠である。
 
 さてどうなりますか。朝田先生の今後の情報に注目したいと思います。
 
転送する情報は福島原発処理水の放出で問題になっている「トリチウム」の専門家による情報です。その(1)ですから、来年続きが配信されると思います。その時また転送します。
 私自身は、現時点で海洋放出そのものは仕方ないだろうと思っていますが、それはそれとして一冊の本を紹介します。
 ●水野倫之・山崎淑行『徹底解説 エネルギー危機と原発回帰』(NHK出版新書、2023年7月10日第1刷発行)
 二人ともNHKでエネルギーや原発関連の仕事に現場取材を含めて直接携わってきた方です。表紙裏のコピーを記します。
 
 ウクライナ侵攻以降のエネルギー危機を受けての、「原発回帰」という政策大転換。耐用年数の問題から核のごみの処理、次世代革新炉や廃炉の実現性、再び事故が起きた際の避難体制など、長年エネルギー業界を取材してきたNHK解説委員とデスクが山積する課題を徹底解説。再生可能エネルギーの現状も含め、日本のエネルギー問題の核心に迫る。池上彰氏との特別鼎談も収載!
 
 私がとても日本では不可能だと思うのは「核のゴミ」の処理の実現性です。
(p66-69)なぜフィンランドは処分場を決められたのか、他
 福島の事故後に水野氏はフィンランドスウェーデン、フランスなどを取材していて、その具体的な情報が述べられています。フィンランドでは「オンカロ」という施設が具体化しています。上記3つの国ではそれぞれ動き出していますが、ドイツは振出しに戻ったとのことでした。
 それはそれとして、決定的なことはヨーロッパと日本の違いです。
(p77)……特に地盤の違いは大きい。大陸のヨーロッパには20億年動いていない岩盤があるが、日本列島は1億年前には存在すらしていなかった。3000万年前にプレートの動きによって大陸から陸地が引きちぎられ、日本列島の原型が現在の位置に固まったのは1500万年前と考えられている。もちろん日本にも長期間大きく変化していない地層もあるが、ヨーロッパとは状況が大きく異なる。……
 核のゴミは少なくとも10万年隔離する必要があると聞いています。日本では不可能なのではないだろうか、と暗い気持ちになりました。
 
 今年はこれで終りにします。来年も又何とか頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
つづく