[1559]ウクライナ戦時下の苦悩

朝日新聞3月17日の「フロントライン」でウクライナの現状について書かれています。

「混迷の兵士動員 拡大恐れるウクライナ国民」という見出しです。

 ウクライナでは兵士不足を補うために戦争動員の年齢下限を27歳から25歳に下げる法改定がありました。また兵役義務の期間が長いことに反発があり、36カ月と明記されました。

 キーウの会社員アルテムさん(27)は「動員強化は絶対に必要だ。志願兵が休めないのも公正じゃない」と断ったうえで次のように言っています。

「でも、軍に行くには僕は臆病すぎる」

 動員年齢になったアルテムさんは、動員法が改定されれば召集令状は紙ではなくオンライン化され住む場所を変えても動員を免れることができなくなります。

 可能な限り動員されるのを遅らせたいが、出国して遅らせることはしたくないのだと言います。「それは自分の『愛国心』が許さない」と言います。

「軍に行かないのは、僕のように死を恐れるか、国や社会を全く気にしない人間。どちらも国が法律で動機づけるのは不可能だ」と話したそうです。

 外国から侵略されている国では支配階級は戦争プロパガンダによって愛国心を宣揚します。その中で戦争に行きたくないと言えば非国民の謗りを受けます。国家総動員体制は素朴な民族意識を利用して構築されるのが常です。戦争に行きたくないという意識は国家の利害と自分の気持とが相即していないのです。

 なぜ今戦争をしているのか考えることが必要です。ロシアの侵略にたいする批判意識が西側帝国主義にバックアップされた資本家階級が支配する国家の利害を護ることに包摂されていることに気付かないと軍国主義に身も心も染まってしまいます。

 アルテムさんは政府の戦争政策に疑問、批判を持っていません。反戦運動が国民の中でなお弱いということがわかります。

 ロシアの侵略に反対し、ゼレンスキー政権とその背後にいて戦争を煽っている連中にNoWarを゙❗❗