22日訪米したウクライナ・ゼレンスキー大統領は米バイデン大統領と会談しました。そこでバイデンは「必要な限り」支援を続けると約束し、ゼレンスキーは「この戦いで、子や孫がどんな世界に生きるか、それがウクライナ人、米国人、全員にとって民主主義の世界になるかどうかが決まる」と応じさらなる支援を求めました。
アメリカがベトナム、イラク、アフガニスタンをはじめ全世界でなした蛮行は、ゼレンスキーの意識における「世界史」の中では「過去の歴史」として消し込まれた事態なのでしょう。
ゼレンスキーは、「民主主義国家」アメリカの支援のもとで民主主義を守るためにロシア軍と戦う決意をのべてバイデンと握手を交わしました。会談はゼレンスキーが東西対立の中に自らを位置づけ「善」としての西側「民主主義」の立場に立つことを明らかにしたという意味をもちます。
今なおロシア侵略軍と戦っているウクライナの労働者階級、民衆は、NATOの米欧資本主義諸国がそれぞれの支配階級的思惑をもってゼレンスキー政権にテコ入れしていることはわかっていると思います。メディアはその声を伝えません。
23日FNNプライムオンライン(フジテレビ系)は次のように伝えています。
アメリカを訪問したウクライナのゼレンスキー大統領に対し、バイデン大統領は、ミサイルシステム「パトリオット」を供与すると伝えた。ホワイトハウスで行われた首脳会談では、アメリカから最新鋭の地対空ミサイル「パトリオット」の供与など、2,400億円相当の新たな軍事支援が発表された。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領「アメリカの支援は不可欠です。この戦いに立ち向かうだけでなく、戦場で勝つためのターニングポイントを迎えるために」
会談後、ゼレンスキー大領は連邦議会で演説し、「決して降伏しない」と強調し、支援の継続を重ねて要請した。
引用以上
ゼレンスキー大統領は演説後、FNNの単独取材に満面の笑みで応えました。
今回の訪問はどうでしたか?と感想を聞かれ「すばらしいです」と答え満足した様子がうかがえたそうです。
これにたいしてロシアは「事実上アメリカはロシアと間接的な戦争を続ける方針示した」とコメントしました。
戦争は止みません。東西の利害対立の中で、ウクライナで暮らす人びとと前線に立つ兵士、ロシアの動員兵と家族は東西資本家階級の抗争の中で明日もまた戦火の中に身を置かざるを得なくなっています。
悲痛な事態がなお続きます。