――今後、弁護を引き受ける考えはある?
文春からこう問われた宇都宮氏は答えました。
「正直、難しいと思います。全国からこうした連絡を頂くことがあるのですが、私は東京だし、かなり多忙です。対応が難しいので、できるだけ地元の弁護士会を利用してほしいとお断りしているのが現状です。(木村容疑者の)動機がまったく分かりませんしね。もちろん面識はありません」
宇都宮弁護士はここですでに嫌がっています。
21日には記者会見を行いました。
テレビ朝日は次のように伝えています。
岸田文雄総理大臣に向かって爆発物を投げたとして、逮捕された木村隆二容疑者(24)。
日本弁護士連合会の元会長・宇都宮健児弁護士によりますと、事件が起きた15日、和歌山西警察署から事務所に電話があり、木村容疑者が弁護を依頼しているという内容の留守番電話が残されていたということです。
その後、容疑者には別の弁護士が就き、依頼は取り下げられました。
木村容疑者は逮捕後、取り調べに「すべて弁護士が来てからお話します」と話し、その後は黙秘を続けています。
宇都宮弁護士は…。
宇都宮弁護士:「選挙制度に不満があるなら、市民運動などで実現すべきで、暴力で訴えることはあってはならない」
木村容疑者は、選挙の供託金制度などが憲法違反だとして起こした訴訟で、宇都宮弁護士が以前、弁護団長を務めた同様の訴訟の資料を証拠として提出しています。
以上引用。
私は宇都宮氏の対応に、この程度のことしか言えない人かと思いました。供託金問題が動機となったのかどうかわかりませんが、宇都宮弁護士の闘いの資料を自身の供託金裁判に援用して訴訟中の容疑者に、暴力で訴えてはならないと「正解」を言っています。
木村氏の動機は今もわかりませんが、暴力はいけないことはわかっていたのではないでしょうか。すき好んでやった行動でもないでしょう。刑事事件の容疑で逮捕された人の話を聞いて弁護をするのが弁護士の仕事です。宇都宮氏は検事ではないのです。「市民運動家」としての宇都宮氏が木村氏の行動を批判すること自体を間違っているとは思いませんが、「人権派」と言われる弁護士としての宇都宮氏のこの対応は間違っていると思います。自己保身したと言われても仕方ないでしょう。
「忙しいから断った」ことにしておけばまだましのような気がするのですが······。
物言えば唇寒し春うらら、と言いたくなる世相