[1647]トリチウムによる内部被曝について

 事故を起こした福島第一原発の核燃料冷却で使われたトリチウム水の海洋放出が続けられています。希釈して流せば問題ないというのは「風評」です。有機結合型のトリチウム内部被曝による晩発性障害について警鐘を鳴らしている放射線治療医の意見を聞かなければなりません。

 北海道がんセンター(前身は国立札幌病院)で半世紀にわたって放射線治療を続けてきた西尾正道さんが『被曝インフォデミック』という本や『市民のためのがん治療の会』というホームページで、メディアが着目していないトリチウム内部被曝の危険性を危機感をもって訴えています。

 がんの放射線治療内部被曝の原理を適用して行われるといっていいと思います。治療医は放射線の威力と恐さを熟知しています。したがって放射線治療医の経験と知識からトリチウム内部被曝について述べられることは科学者の一般論を越える説得力があります。

ホームページから一部引用します。

トリチウムは基本的には水素として体内動態として動き、β線を出しているが、政府や有識者とされる人達は、トリチウムは自然界にもあり、エネルギーが低いとして安全安心神話を振り撒いている。」(『市民のためのがん治療の会』 「がん治療の今」No.501)

「水素と酸素は5.7eVで結合し水(H2O)となっているが、トリチウムは平均エネルギーでも千倍のエネルギーである。 また原発稼働により、自然界にあったトリチウムの2~3千倍のトリチウムを環境中に放出しているのである。 また飛程は約10μmであり、ほぼ細胞一個分である。 しかし、深刻なのは体内では通常の水素として動くので、トリチウム水の場合は10日前後で代謝されるが、有機結合型トリチウムとなったものは人体の全ての生成物の化学構造式の中に水素として取り込まれることである。」(同上)

トリチウムは、自由水型のみならずガス状トリチウムもその一部が環境中で組織結合型トリチウムに変換される。」

 

詳しくは次のURLで見てください。

市民のためのがん治療の会 http://www.com-info.org/medical.php?ima_20230801_nishio