この事件に選挙闘争中の各党が一斉に同じような非難声明を出しました。
暴力には屈しない、言語道断の許しがたい行為、言論に対する挑戦というものです。
行為した臼田氏の目的はまだわかりませんが、首相官邸、自民党本部が標的にされたことからすると現政権への抗議の意味があったのでしょう。また産経ニュースなどによれば選挙の供託金に反対していたといいます。
それにしてもこの人は一人で行動して何かを変えられると思ってはいなかったでしょうし、暴力が好きなわけでもないと思います。
各党はなぜこの事件が引き起こされたのか考え、そのうえであの行為を批判する声明を出さなければいけないのではないか。私はこの事件が政府にたいする抗議批判行動であれば無力で誤っていると思いますが、野党とくに立民党は自分への批判の意味をもつものとして受けとめなければならないのではないか。22日の集英社オンラインによれば、臼田氏は原発反対運動に参加していたこともあるようです。誰も頼りにならないと思ったフシがあります。
臼田氏は2012年に野田佳彦政権が関西電力大飯原発3,4号機の再稼働を図った時の抗議運動に参加し、現地へ行ってテント生活を1年か、もっと長く続けるなど抗議をしていたそうです。福島第一原発事故後、日本の全原発が停止していたなかで、3号機は2012年7月に再稼働されました。
選挙運動中だからといってともかく事件を非難しておこうというのは、思考停止の産物です。
私は反対運動を盛り上げなんとかして原発を停止させなければならないと思います。政府も電力会社も事故を起こした時の対応能力がありません。使用済み核燃料の捨て場所がなくたまる一方です。電力会社の経営者は目先の利益のために惰性で動いているだけです。自民党政権はプルトニウムを将来核開発に使うと言い出しかねない情勢です。私は急速に進められている軍事大国化の諸施策を阻止するために反対運動を強くする地道な努力をしなければいけないと思います。
反対の意志を、単に破壊行動に訴えるという人が現れるのは反対運動の危機を意味していると思います。絶望的な心情にかられた行動が起きる状況は、労働者階級の団結した闘いが微弱になっていることが背景にあると受けとめなければならないと思います。