[266](投稿)核のゴミどこへ

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<核のごみどこへ>行き詰まる国のサイクル政策 「直接処分」促す声も

原発の使用済み核燃料を全て再処理し、プルトニウムなどを燃料に再利用する国の「核燃料サイクル政策」について、見直しを求める声が専門家らから上がっている。サイクル政策が行き詰まり、実用性や実現性を伴わないためだ。地上の工場で極めて放射能が強い液体を扱う再処理をせず、使用済み核燃料をそのまま地中に埋める「直接処分」の検討を促す指摘もある。
「直接処分の調査研究を着実に進める」。梶山弘志経済産業相は2日の衆院予算委員会で、自民党下村博文氏に直接処分の必要性を問われ、そう答弁した。ただ10日の記者会見では「核燃サイクル推進が基本方針で、直接処分は想定していない」と、踏み込まなかった。
核燃料サイクルは、後志管内寿都町神恵内村が処分場選定への文献調査を受け入れた核のごみ最終処分の前提。再処理でプルトニウムとウランを取り出して混合酸化物(MOX)燃料として再利用する一方、残った廃液をガラスで固めた高レベル放射性廃棄物が、いわゆる「核のごみ」となる。最終処分法では、この核のごみだけを地層処分すると定めている。
現政策の意義について、経産省は「エネルギー資源に乏しい日本で、資源を有効活用するため全量再処理が必要」(原子力立地・核燃料サイクル産業課)と強調。青森県六ケ所村で再処理工場の2022年の稼働を目指す日本原燃も「再処理すれば、直接処分に比べ廃棄物の体積を4分の1に低減でき、放射能が安全なレベルに下がるまで10万年かかるところを8千年に短縮できる」と説明する。
しかし、実際には、MOX燃料の使い道は限られる。利用を想定した高速増殖炉は、研究段階のもんじゅ福井県)がトラブル続きで廃炉が決定。原子力規制委員会の新規制基準下で、MOX燃料を使える通常の原発は4基しか再稼働していない。再処理工場が稼働すれば、核兵器の原料にもなるプルトニウム保有量が増える恐れがある。
さらに、使用済みMOX燃料の再処理方法も、国が研究中だが、実用化のめどは立っておらず、最終的な処分方法も未定。田中俊一・前原子力規制委員長は「高速増殖炉の技術がなく、MOX燃料も再処理できない日本では、再処理による燃料節約効果は全くない」と、国の再処理方針に疑問を投げかける。
直接処分の場合、再処理するより大きな最終処分場が必要になるが、長崎大の鈴木達治郎教授(原子力政策)は「重大事故が起き得る地上の再処理工場より、地下に埋設する直接処分の方がリスクは低い。最終処分場の議論が進む中、国は直接処分の可能性を早期に検討すべきだ」と話す。(佐々木馨斗)

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント

 原発保有する各国は、原発を稼働させ、電気エネルギーに変換して、いろいろな物を「効率よく」生産できるということは「良かった」と思っていたことでしょう。国が多額の補助金を出し、原発保有する電力会社がいかに儲けるかを考えて、安い土地・人口密度が少ない・水がある海や川があるところに、原発を米国から買い入れ、設置して、稼働してきました。予定の稼働年数は40年でした。
 この間、かなり電力会社は儲けたでしょうね。政府のお墨付きで儲けが確実に出るように「電源三法」(注1)もつくられています。
 しかし、原発から出てくる「使用済み核燃料」をすべて処理し、「プルトニウムなどを燃料に再利用する国の『核燃料サイクル政策』」は、完全に行き詰まり、破綻しました。
 福島の原発事故だけでも大きな問題としていまだ残る中、「使用済み核燃料」の「リサイクルする」という「核燃料サイクル」政策は蜃気楼(しんきろう)のようなものでした。「夢幻のごとし」というわけです。「使用済み核燃料」の一部は、極めて危険な「MOX燃料」(ウランとプルトニウムを取り出して作った混合酸化物)としての「MOX燃料」を、「高速増殖炉 もんじゅ」も事故を起こしてばかりですでに廃炉が決定しています。それで、MOX燃料を使えないような「仕様」の原発で稼働させていますが、いつ「福島第1原発」事故以上の恐ろしい事故が起こるかと原発研究の専門家の小出裕章氏も案じています。
 政府も、六ケ所村の再処理工場の稼働が全くうまくいっていないこと、MOX燃料を使っているうちに第二の福島原発事故の起こらないうちに、核のごみの「再処理」を諦(あきら)めて、直接「地層処分」するということを検討していました。それが表ざたせざるを得なくなって、メディアにも出てきました。MOX燃料ももちろん日本では再処理できない代物です。使用済み核燃料はイギリスやフランスに頼って、そのごプルトニウムなどを含めて、いろいろな核種が「返還」されてきます。これが一定以上になると「核爆弾を作る気」かとアメリカなどから非難を浴びせかけられます。
 長崎大の鈴木教授は、政府側に立って「重大事故が起き得る地上の再処理工場より、地下に埋設する直接処分の方がリスクは低い。最終処分場の議論が進む中、国は直接処分の可能性を早期に検討すべきだ」などと、いとも簡単に「地層処分」を進言しています。

 この間、寿都町神恵内村が「核のごみ」を「地層処分」することに手を挙げてくれることが分かったので、「文献調査」で最大20億円で、引っかけられるところは多いと推定したのでしょう。
 また、コロナ禍で困っている地域は多いとにらんで、このような「暴論」を表に出してきたのでしょう。
 これで、また、「文献調査」から「最終処分場」までの、道のりが大きく揺れ動くことになると思いますが、国家権力は押し切る構えだと思います。

読者の皆様、労働者の皆様、学生諸君、「行き詰った国のサイクル政策」の破綻の弥縫策(びほうさく)としての、「直接地層処分」に対して、そして休止している原発の再稼働に(例えば女川原発再稼働など)、一致団結して反対していきましょう!!

注1 「電源三法」についての解説が書かれています。原子力原発問題を考えるために必要だと思います。以下にそのタイトルをお示しします。検索してみてください。

よくわかる原子力 - 電源三法交付金 地元への懐柔策 (nuketext.org)

[265](投稿)コロナ対策で抜け落ちている重要なこと

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ペンギンドクターから

皆様

東京都はじめ各地でCOVID‐19感染者が連日最高を記録しています。

菅総理も、総理になった途端に目が死んでしまって、コロナ禍の政権運営の難しさを象徴しています。一方、政権を放り出した安倍前総理は生き生きとして、潰瘍性大腸炎の悪化はどこに行ったのか、責任のかけらも感じていないようで、馬鹿々々しい思いです。危機における今の日本のトップには何が何でも生き抜く逞しさが感じられません。

 私が子供の頃、戦争帰りの知らない小父さんに、「お前たちは弱弱しい、一度軍隊に入って根性を鍛え直した方がいい」と言われたことを思い出します。修羅場をくぐった経験のない戦後の人びとでは、私も含めてですが、アメリカ・中国・ロシアと対抗していくことは出来ないように思います。対抗する必要もないと割り切れば、むしろいいのにと私は思っていますが。


 さて、転送する以下の文章は、的を射た提言だと思います。要するに現場の誠実で熱心な一人の医師の思いが感じられる文章です。お読みいただければ幸いです。

 その前に、COVID‐19に関する一冊の本を紹介します。今最も信用でき、かつ役立つ新型コロナに関する本だと思いますので、光文社の回し者と言われるのを覚悟で宣伝させてもらいます。私は11月18日(水)に購入し、二日ほどで読了しました。

 岩田健太郎著『丁寧に考える新型コロナ』(光文社新書2020年10月30日初版第1刷発行)です。

 裏表紙の彼の略歴をそのまま記載します。

●岩田健太郎

 1971年島根県生まれ。島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業。沖縄県立中部病院、ニューヨーク市セントルークス・ルーズベルト病院、同市ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学神戸大学都市安全研究センター感染症リスク・コミュニケーション研究分野および医学研究科微生物感染症学講座感染治療分野教授。著書に『「感染症パニック」を防げ!』『予防接種は「効く」のか?』『ぼくが見つけたいじめを克服する方法』『1秒もムダに生きない』『99.9%が誤用の抗生物質』『サルバルサン戦記』『ワクチンは怖くない』(以上、光文社新書)、『新型コロナウイルスの真実』(ベスト新書)、『絵でわかる感染症withもやしもん』(講談社)など多数。


 目次の大項目のみを示します

はじめに

ファイル1 なぜ国ごとに差が出たのか。そして第二波がどうなるか。

ファイル2 検査について

ファイル3 マスクについて

ファイル4 緊急事態宣言の考え方

ファイル5 プール、温泉・・・・・・そして、「専門家」と「信用」の基準

ファイル6 楽器、音楽、コンサート――リスクヘッジの方法

ファイル7 治療について

巻末特別対談 「西浦博先生に丁寧に聞く」西浦博×岩田健太郎


 西浦博というのは、例の「8割おじさん」です。北海道大学教授から京都大学教授に移った「理論疫学」「数理モデル」による新型コロナウイルス感染症の流行を予測している時の人です。この特別対談が最も面白く思いました。

 岩田健太郎氏は、わかりやすく言うと、決して厚労省の委員になることはない感染症の専門家です。つまり、忖度とは無縁の人です。もちろん、野党側に立つこともありません。要するに党派性・政治性とは無縁の臨床医です。野党側の証人になった、私がしばしば言及した児玉龍彦氏や上昌広氏は医師ではあっても感染症の専門家ではありません。そのことは皆様にもお話しておきました。だから彼らの発言は本当の現場を知らない付け焼刃です。しかし、COVID‐19に関してはその実態がわからないので、だれでも言いたいことを言うことが可能です。学術論文も百家争鳴の状態です。そのこともお話しました。その素人コメンテーターのなかに、やっと専門家らしい人の本が登場してきました。ただしこの本の内容は6月末時点での状況を素材にしています。校正の時期の8月末に直近のコメントが出ていますが、それでも3ヶ月前です。その後の変化もありますが、基本的な考え方は的を外していません。

 岩田健太郎氏についてのエピソードを一つ。

 著書に『99.9%が誤用の抗生物質』があるように、彼は一部の製薬会社とは「敵対関係」にあります。また「日本感染症学会」の幹部の相当部分に排除されています。私がこの岩田健太郎氏に興味を持ったのは、日本感染症学会においての些細なエピソードからです。

 一般に学会が行われるときには、その専門領域の先生方に販売するために、医学書関係の出版社がコーナーをもらって販売活動をします。その際、愚かなその時の学会長が、岩田氏の著書を販売させないように圧力をかけたというニュースが医療者ネットワークに登場したのです。日本感染症学会の内情がわかると思います。


 岩田健太郎氏は、逞しい人です。上記の8割おじさん西浦氏もそうです。西浦氏は宮崎医科大学卒です。二人とも外国に出て行き、キャリアを磨いてきた人です。岩田氏は毀誉褒貶の激しい人ではありますが、よく勉強しています。私は信頼できる臨床家、現場の本物の感染症専門家と考えています。購入を薦めます。960円+税です。

 ではまた。

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国や都道府県のコロナ対策でまったく抜け落ちている重要なこと


わだ内科クリニック

和田眞紀夫


2020年11月16日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp

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これまでの投稿記事で何度も指摘しているのが、封じ込めができない新興感染症は少なからず蔓延していくので、その感染拡大を阻止することは第一目標ではなくなること。


新型コロナウイルス対策で大切なことは、やみくもに感染の拡大を抑えるのはなくて、肝となる最重要事項に焦点を絞って徹底的に対策をとることである。


1)コロナ感染で命を落とす人を最小限に食い止めること

何のためにコロナウイルス感染の拡大を抑えようとしているのか、その原点に立ち戻ることが大切で、コロナウイルスに感染して重症化して命を落とす人の数をいかに減らせるかということが究極の目的のはずだ。最近になって明らかになりつつある様々な後遺症の問題はあるにせよ、重症化という観点から考えると、最も影響を受ける高齢者や合併症を抱えている人たちを守っていくことが最重要課題だ。

高齢の方々でも自立して生活している人は、自分で判断して感染源となりやすい若い人との接触をなるべく避けるなどの感染対策をとることができるが、特に問題となるのは高齢者施設や福祉施設で生活している人たち、療養型の病院に入院している人たちなど、若い人たちの助けがなくては暮らしていけない人たちで、皮肉なことにこれらの施設にウイルスを持ち込むのは彼らをサポートする医師、看護師、介護職従事者なのだ。

欧米でコロナウイルスが猛威を振るって多くの方が命を落としたが、実はその半数以上が高齢者施設や福祉施設で暮らしている人たちであることが明らかになった。日本で亡くなられた人の情報は残念ながらほとんど公表されないが、東京都の唯一の報告でも院内感染や施設内感染の割合が高かった。

11月の今になってもネット記事では「神奈川県で最多の137人感染を確認、川崎市の市立病院クラスターで5人感染、2人死亡(11月7日付け東京新聞)」、「北海道、病院のクラスター相次ぐ 1人死亡153人感染(11月8日付け産経新聞)」という痛ましい記事が並ぶ。

必要なことは、高齢者や基礎疾患を抱える方が多く入院している病院や高齢者・福祉施設に勤務する職員に対して、監視目的のPCR検査を繰り返し実施して感染の芽を摘んでいくことである。PCR検査は重症患者さんだけに限定して無症状のエッセンシャルワーカーの検査は行わないという政府の方針では、完全に重要な対策が抜け落ちている。


2)個々人に対する感染対策や指針はあっても、「組織・集団」に対する指針やマニアルを作らないことが社会の混乱を招いていること

会社の同じフロアーでコロナの陽性者が出た場合どうしたらいいか。感染者には当然保健所が介入して自粛要請(自宅、ホテル、入院)し、濃厚接触者にはコロナ検査を要請する。しかしここで問題となるのが、感染者の近くに寄って話をした人であってもそのほとんどは濃厚接触者とは認定されないことだ。それは最近になって濃厚接触者の認定基準を改定してよほどの条件を満たさない限り濃厚接触者とは認定しないようにしたためだ。

実際、このような状況でも濃厚接触者とは認定されなかった方が不安になって当院を訪れて、PCR検査で陽性と出たケースが少なからず存在する。つまり今の国の方針では本気ですべての感染者を見つけ出そうという意図はなく、感染症法に基づいて行うべきクラスター調査が形骸化してしまっている。

疑わしい人には徹底的にPCR検査をしていくことが一番大切だが、少なくとも「ある集団内に感染者が発生した時にまわりの人はどうしたらいいか」「会社の管理者や責任者は部下にどのような指示を出したらいいのか」についてなど、誰かがそういうときのための指針・マニアルを作って指導すべきであるのに、国を始め感染症関連学会、医師会なども個々人に対する感染対策や指針は出しても、「組織・集団」に対する指針やマニアルをまったく示していない。それぞれの組織が自分たちで考えるようにというスタンスだ。

このために国じゅうの様々な組織のそれぞれが四苦八苦して対策を練っていて、社会の混乱を招いている。ここでいう「組織・集団」には具体的にはどういう組織が含まれるかというと、クラスターが多発している病院や福祉施設はもちろんのこと、学校、公共施設、企業をははじめとする様々な職場、スポーツ・芸能の団体から娯楽施設などありとあらゆるものが含まれる。

それぞれ勝手に対策をとらせているから、対策がきちんとしているところとそうでないところができてしまい、感染対策が不十分なところでクラスターが発生する。当院が所属する練馬区にある順天堂練馬病院では7人の医師・研修医の感染から始まって看護師・患者さんを含む69人もの感染が報告された(2020年10月)。医療のプロである大学病院ですら初期対応を誤るとこれだけの大クラスターを発生させてしまうのだ。

さらに具体例を一つ挙げて説明しよう。筆者が学校医を務める中学・高校一貫校で濃厚接触者の疑いがある生徒が発生した。「いかに感染を防ぐか」という50枚にも及ぶ分厚いマニアルが文部科学省から配布されている(換気や手洗い・消毒について、給食や部活の活動指針など詳しい指示が示されている)にも拘わらず「濃厚接触の疑い」のある生徒が発生した時に、具体的にどうしたらいいかについては記載がない。

濃厚接触者の認定を受けた生徒は14日間の登校停止としているほか、ひとたび感染者が確認された場合は厚労省管轄の保健所の指示に従うことになっているが、このとき「学校がどういう対策をとるべきか」の的確な指示はない。「3日間ぐらい学校を休校とするのが一般的である」という曖昧な表現で終わらせている。あとは個々の学校で考えて対処して下さいというスタンスだ。

ちなみに筆者が経験した濃厚接触者疑いの生徒(同居の兄がコロナウイルスに感染)は、兄のコロナ陽性が判明した後もなかなか保健所のPCR検査の日程が決まらないため、業を煮やして当院で唾液のPCR検査を実施したところ翌日に陽性であることが判明した。この生徒は兄の検査結果を待っているあいだも登校を続けていて、「授業の合間の休み時間ともなれば友達といっぱい話をしていた」と話していたにも拘わらず、保健所は学校内の濃厚接触者ゼロと判定し、学校に対しては休校措置をとる必要はないという見解を示した。そもそも濃厚接触者の判定基準を見直すべきだが、感染リスクの捨てきれない生徒のPCR検査はせずに学校の休校措置も指示しないというのはクラスター発生のリスクを助長している。当院では学校医の判断で3日間の休校措置をお願いした。

ここでの問題はこのようなケースに対する指導をたまたまその時に対応した保健所の担当者に委ねていることで、感染拡大を防ぐための「組織・集団」に対する普遍的なマニアルを作成・提示していないことにある。社会の混乱を招かないようなきめ細やかな危機管理対策がいま求められている。


3)どの地域でどのぐらい感染が蔓延しているかの調査が行われていないこと

コロナの感染拡大についてまずいえることは、地域によって状況がだいぶ違うということだ。東京都内でさえ地域によって状況にかなり違いがあり、例えば筆者の実家がある東村山市などではほとんど感染者はでていない。地方のニュースを見るといまだに感染者が出ると大騒ぎで感染者の情報が詳しく報道されていて、感染初期の首都圏での状況が地方都市で繰り返されている。一方で感染拡大が先行した首都圏では感染が長引くにつれて個々人の対応ばかりか地上波テレビや新聞各紙の報道までかなり緩くなってきている。

コロナウイルスの感染拡大様式は人ごみの多いところで顕著となる傾向があり、そのことを考慮するとコロナは感染状況に応じて地域ごとにで対策を変えていかなければならない。人出の少ない地方都市や東京都下の感染者があまり多くない地域などでは、徹底的にウイルスを封じ込めるような新興感染症初期の対策が取られ続けているのは仕方のないことだ

このような状況を考えると、どの地域でどのぐらい感染が広がっているかを調査することがとても重要だ。アメリカ在住の日本人医師のコメントの中で、「アメリカでは数多くのPCR検査をしていることで各地域の感染状況を把握することができる」と指摘していた。日本においても季節性インフルエンザウイルスに関しては、全国に約5000の定点観測医療機関が指定されていて、毎年のインフルエンザの発生状況を報告している。この統計のおかげで経時的に各地域の感染状況がリアルタイムで把握できるほか、日本全体のインフルエンザの感染者数を推定値で割り出すことができる。コロナに関しては感染症法の2類相当にこだわるばかりに、感染状況を調べるための調査目的のPCR検査すら行われていない。

国や都道府県はただただマスク、手洗い、ソーシャルディスタンスや行動自粛などを繰り返し国民に求めるだけでなく、具体的かつ実践的で役に立つコロナ対策を抜かりなく推し進めてほしい。

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ご覧になる環境により、文字化けを起こすことがあります。その際はHPより原稿をご覧いただけますのでご確認ください。

MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp



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MRICと同様に、医療を超えて、世界の様々な問題を取り上げて参りたいと思います。

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今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨ご紹介いただけましたら幸いです。

MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp

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MRIC by 医療ガバナンス学会

[264](投稿)GoTo停止へ、政府が保身

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感染地域へのGoTo予約停止 札幌市も対象に浮上 首相「継続」から一転

菅義偉首相は21日に官邸で開いた新型コロナウイルス感染症対策本部で、観光支援事業「Go To トラベル」の運用見直しを表明した。感染拡大する一部地域への旅行の新規予約を一時停止する。時期や対象地域には言及しなかった。複数の政府関係者によると、札幌市内が対象に浮上している。
「Go To イート」も、プレミアム付き食事券の新規発行停止などの検討を都道府県に要請する。
GoToトラベルは経済を重視する首相の目玉政策で、感染拡大にはつながっていないとし、一貫して継続を訴えてきた。見直しは大きな方針転換だが、具体的な内容は固まっておらず、感染拡大が進む中、対応が遅いとの批判を浴びるのは必至だ。
西村康稔経済再生担当相は対策本部後の記者会見で、対象地域について「都道府県知事の意向も尊重しながら、感染や病床の状況が(国の)ステージ3に当たるかどうか共有しながら、観光庁と連携して調整したい」と説明。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は20日の会見で「札幌はステージ3に入る」と明言しているが、制度設計などが決まるのは連休明けの24日以降となる見通しだ。西村氏は予約済みの旅行のキャンセル料がかからない仕組みの導入にも言及した。
対策本部で首相は「最大限の警戒状況が続いている」と指摘。「感染拡大が一定レベルに達した地域ではその状況を考慮し、都道府県知事と連携し、より強い措置を講じる」と強調した。
記者団には、医療・介護施設で感染者が確認された場合は入所者や職員全員の検査を「直ちに国の費用負担で実施する」と説明。国民に対し、会食時を含めたマスク着用や手洗い、「3密」回避を改めて心がけるよう呼びかけた。(佐藤陽介、鈴木誠) 2020/1/22 北海道新聞デジタルより引用

※※※ 石川木鐸のコメント
 先に昨日の報道をお知らせして、コメントしましたが、22日の報道では「感染地域へのGoTo予約停止 札幌市も対象に浮上 首相「継続」から一転」となっていました。
要点は以下の通りです。
①感染拡大地域への旅行の新規予約を一時停止する。
②時期や対象地域には言及しなかった。(関係者によると札幌市などが対象になる可能性がある)
③「Go To イート」もプレミアム付き食事券の新規発行の検討を都道府県に要請する。

 しかし、新型コロナ感染防止対策がもはや遅きに失したと思います。北海道新聞の見出しにも「経済重視 対応遅れ Go To 停止 医療崩壊に危機感 看板政策転換」とも書かれています。
 心配されているのが、これで感染拡大に歯止めがかかるのか?ということです。
 一時停止する時期などは分かっていないことも大問題です。準備は即座にしないと間に合いません。ウイルスは、菅の対応を待っていてくれるわけなどないことはだれでも分かることです。不安な日々が長引くばかりです。
「『Go To キャンペーン』で感染したという証拠や疫学調査がない」と、今朝のNHKの討論会でもいう人がいて、感染症の専門家もそれは認めていましたが、それなら、菅政府・厚労省等」は最初から研究費を出して、疫学調査をすべきでした。目的と研究費を出すことが国の役割です。感染・疫学の専門家とその研究者の人員を最初から準備しておかないと、研究が遅れに遅れます。

すでに遅れに遅れていて、Go To キャンペーンに出て行って現地で罹患した人と、行っても現地では罹患しなかった人と、Go To キャンペーンでは罹患しなかったけれど、帰ってきてから罹患した人と、帰ってきてからも罹患していない人と、Go To キャンペーンに行かなかった人で罹患した人と、罹患しないでいる人…それぞれの特徴を捕まえるならば、これからの「感染・疫学研究計画」の在り方が変わります。地域によって、Go To キャンペーンの終了するところと、継続する地域に分けての研究となるのかもしれません。専門家ではないので、専門家に聞いてみたいと思います。
 報道にも「地域は?いつから?混乱必至」との見出しもでています。また、北海道も国の方針を見守るしかないようですが、現在は、北海道全体に感染が拡大していて、北海道独自の「感染拡大防止策を取る」方針を真っ先にやるべきです。
 中東では感染拡大が拡大して「ロックダウン」をする国も出ています。欧米諸国と東南アジア諸国新型コロナウイルス株が少し違うという説もありますが、まだ、ファクターX は見つかっていません。
より感染しやすい性質があるのか?より強毒なのか?などの差異がまだ明確に発表されていません。ウイルスの変異しやすさは言われていますが、どのように変異し、性質がどのように変わったのかを知りたいと思っています。
 是非、我が国の優れた研究者の皆さんに、国が資金と人を出して、研究に専念していただけ得るようにしてもらいたいものです。
学術会議の任命拒否に示されたように「専門家会議いじめ」=「専門家会議」を「国家の手先に使い」、「戦争のできる国」を作るということなどは決して、しないででもらいたいものです。すでに菅政権の井上科学技術担当大臣は11月17日の参院内閣委員会では軍事研究に反対する学術会議に方針転換を促しはじめました。

読者の皆様、労働者の皆様、学生の皆様は、今の日本の現状をどのようにお考えになっておられますでしょうか?

[263](投稿)豊洲ピンチ

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「俺は検査しない」「潰れる」
感染拡大、混乱の豊洲市場
2020年11月19日 朝日新聞デジタル版 より引用
 新型コロナウイルスの感染が東京都内でも急拡大する中、豊洲市場(東京都江東区)では18日までに累計で仲卸業者ら82人の感染が判明した。業界団体「豊洲市場協会」などは、水産仲卸約480社の4千~5千人を対象とした自主的な検査に乗り出した。
 都によると、市場関係者で初めて感染者が出たのは8月15日。その後、感染者が相次いで確認されたことから、範囲を大幅に広げることにしたという。17日までに感染が確認された累計82人のうち、74人が水産仲卸の従業員ら。自主検査は今月末まで実施するが、任意で検査数がどれほど増えるかは不明という。都の担当者は「決して少ない数ではなく、重く受け止めている。市場は流通の拠点であり、業務停止するような事態は避けたい」と話す。都と協会は水産仲卸売場棟を巡回し、棟内でのマスク着用の徹底を呼びかけている。
 小池百合子知事は18日、「クラスター(感染者集団)とは見られていないと聞いている。安心するためにも積極的に検査を受けていこうという結果。皆さんに安心してもらうためにチェックをしていると受け止めている」と語った。一方、都内で同日に確認された感染者493人は1日当たりで過去最多。(長野佑介)

客足半減「年末どうなる」
 
東京・豊洲市場での感染拡大は、場内での売り上げにも暗い影を落とす。

「いきなり、半減したよ」。ある水産仲卸は、そう嘆く。市場でコロナ感染者が出てから、売り上げ、客足とも激減したという。(後略)

※※※ 骨川筋衛門のコメント

 これは11月19日の記事ですが、この豊洲の記事は東京の感染状況を明瞭に表す「非常事態」です。「GO TOキャンペーン」を、「GO TO イート」をそのまま推進して、後は、各自治体任せだったり、「食べるときには、話をしない。話をするときにはマスクをして!!」という「きわめて稚拙で、強引なキャンペーン」を、このような事態になってもまだまだ押し進めるために菅は強調しています。菅自身が発想した「GO TO キャンペーン」を今のところは引っ込める気はないようです。
 (「政治アナリスト・伊藤惇夫氏」はTVで「『たたき上げ』の代議士は、自己主張を(けっして)曲げない」とコメントしていました。それで、小生も「たたきあげ」という言葉から検索すると「たたき上げ総理」という項目がでてきて、菅が決して、巷間言われている「たたき上げ総理」ではないという「記事」に出会いました。この「噂話」は面白いので下記のアドレスで見てください。この記事の付録についている記事もお読みになると、「自粛生活」に一時の「小さな笑い」をもたらすかもしれません。)

以下に「菅首相の父は地元の名士 「叩き上げの苦労人」説の真相」のアドレスをお示しします。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4502851746372458f8fb3345e2f3cb4d5be9c24

医療崩壊目前に

 このまま「GO TO キャンペーン」・「GO TO イート」(後者はお金が尽きるようです)が、進行すると、医療崩壊はすぐに起こりかねないと危惧しています。
 医療スタッフの疲弊・不眠不休の労働が進行し、頭もボーとして、防護服の脱ぎ方・治療の仕方・判断力などにも影響が出てきて、院内感染も広がり、なお疲弊するという悪い連鎖が起こると思います。
 他の病院スタッフや保健所からの応援という考えも出ていますが、どこにそのために必要な、技術性や防護服の着脱の訓練を日々繰り返しやっている病院や保健所があるのでしょうか。一度、早急に調査をしてみてください。
 それがあれば、各自治体ですでにやっていると思います。日本医師会もそのようなことができるなら、そのことを把握しているはずです。
 そうではないからこそ、この連休は「自粛」してと日本医師会会長も「悲観」し、「悲鳴」を上げているのです。
 
 読者の皆様、菅とトランプは似ていると思いませんか?菅がマスクを外せば、トランプと同じ「強権」・「狂犬」に見えます。
 感染拡大が急速化している渦中に、「学術会議」に対して「軍事研究」を迫るという「命令」を出すということを取り上げても、「これはおかしいぞ」と直感しませんか? 
 かつて、「軍事技術が上がると一般的な科学技術も上がる」とか「戦争が科学技術を促進する」と言う人がいました。その成果が「原爆・水爆・原発」だとしたら、それは「進歩」でしょうか?
 「(夢の)原子力発電所も作られました」。しかし、スリーマイル島チェルノブイリ福島第1原発事故の「恐ろしさ」を見聞し、実際に我が国の原発で体験した人たちが、我が国に・身近に大勢いるという事実は決して消えません。
 いまだに、福島原発事故の後遺症は、人体にも、生活にも、「自然環境」にも残存しています。
 しかも、その「核のごみ」の後始末に追われています。菅は「50年」には「脱炭素」と言いますが、表には出しませんが、それには「原発も使う」ということが大前提になっています。代替エネルギーだけでは我が国の気候風土から考えて、無理ではないでしょうか?
 野党が「原発の再稼働をするのか?」と問うと、「今は考えていない」と逃げていますが、本音は「使うに決まっている」わけです。結果、核のごみは増える一方です。「感染拡大」も「核のごみ拡大」も、菅にとっては「GO TO」なのです。

 読者の皆様、労働者の皆様、学生の皆様、菅の「GO TOキャンペーン」に対して、
一致団結し、即座に反対の声を上げて、感染拡大反対、原発再稼働反対に取り組みませんか!!

[262](投稿)政策、急転回━プロローグ 「神のみぞ知る」と西村大臣

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今後の感染者数は「神のみぞ知る…」 西村担当相が発言

「感染がどうなるかっていうのは、本当に神のみぞ知る……」。政府で新型コロナウイルス対策を担う西村康稔・経済再生相は19日夜の記者会見で、今後の感染者数の動向をめぐり、こう語った。「これはいつも、(政府の分科会会長の)尾身(茂)先生も言われています」と付け加えながら。
全国の新規感染者数が2日続けて2千人超と過去最多を更新するなか、西村氏は「予測をすることは極めて難しい。これは専門家のみなさんと話しても、なかなか正確な見通きないわけでありまして」と語った。
「2、3日で倍増していく爆発的な感染にはまだ至ってはいない」との見方は示したものの、現状の対策の効果も政府として見通せていないことを半ば認めた形だ。
一方、感染拡大を防ぐため、感染者が多数見つかっている地域で集中してPCR検査などを行う考えを改めて強調。「一時的に陽性者は増えても、二次感染、三次感染は防げる」と指摘し,「楽観できませんが、少しでも下がって安定してくればいいと思っている」と語った。感染拡大に危機感が広がるなか、専門家の言葉を借りるかたちをとって「神のみぞ知る」と語った西村氏。

 最近の会見では「国民や地方の首長ら任せ」のような発言もしている。
 北海道を中心に感染者が急増していた13日、政府の旅行支援策「Go To トラベル」の活用を国民に促すかを問われると、西村氏は「それを使って旅行されるかは国民の皆さんの判断だ」。初めて新規感染者が2千人を超えた18日には、「Go To トラベル」をめぐり、「それぞれの都道府県に聞いているが、制限をするという意向は聞いていない」と述べた。(山本知弘)
2020年11月19日  朝日新聞デジタル並びに北海道新聞デジタルから引用しました。

※※※石川木鐸(ぼくたく)のコメント
 11月21日には、菅・政府の「Go Toキャンペーン」の継続と「感染対策分科会」の尾身会長の「Go To事業については、一般的に人々の移動が感染か管に影響すると関連性のあることを指摘し、「道内の一部など感染拡大が急速に拡大している地域では、当面3週間、飲食店の営業時間短縮やGo To事業の見直しのほか、感染拡大地域との移動の自粛も求めた。道内などは病床がひっ迫しているとし『国の(上から2番目の)ステージ3相当と判断せざるを得ない状況に早晩至る可能氏が高い』と強い危機感を示した。
 「感染対策分科会」がここまで踏み込んで発言するのは、これまではなかったのではないでしょうか。それほど危機感を持つに至っていると言えます。
 野党からも「爆発的感染を阻止すると言いながら移動を促進するのは全く矛盾している」と追及を受けた菅は「最大限警戒すべき状況」と認めたが、観光関連で約900万人が働いているとして「ダメージを受けた旅行、飲食業界を支援し感染対策と経済の回復を両立させる」と強調している。
 一方で、同じくダメージを受けた事業者向けの支援である持続化給付金の期限延長については、「特例的な措置だ」と否定的で、治療に当た医療従事者への慰労金の追加給付に関しても「まずは(既存の)支援を医療現場に速やかに届ける」と消極姿勢で、自民党若手は「献金給付はしたくない」との思惑だと推察している。
 つまるところ、菅は菅自身の「Go To事業」の発想の転換を「拒否」しているわけです。現状の日本の感染状況の有様を見つめ直すということよりも、自分自身を否定されることを忌避しています。
 政府内でも、感染症対策分科会が「Go To キャンペーン」の見直しを提言したことを受け「Go To トラベル」を現状のまま継続するのは困難との見方が広がり、見直す方向に舵を切ることになりました。しかし、経済重視の菅は「Go To トラベル」の旗を振り、感染拡大に影響ないと、一貫して事業の必要性を主張してきて、見直しとなれば政権への打撃となり、「慎重」にならざるを得なくなっています。
 しかし、感染者が増え続ければ、経済を回すという目論見は完全に破綻すると同時に、さらに、感染拡大と医療崩壊を招き、菅政権は自(おの)ずと倒れると思います。

 「感染がどうなるかっていうのは、本当に神のみぞ知る……」と政府で新型コロナウイルス対策を担う西村・経済再生相は感染症対策分科会の言葉を借りて発言しました。
 ほんとうに、こんなことでいいのでしょうか?
 小生も実際のところは良く分かりませんが、「実行再生産数」(effective reproduction number;効果的再生産数とも)は1人の感染者が平均何人に感染させるか)という数理モデル等で、未来の感染者数を予想することはできるはずなのです。
 神様、仏様…だけが知っているというのは、新型コロナウイルス対策を担う西村経済再生相が「経済を回すことを優先する菅と感染対策分科会の提言との間での板挟みの『悲鳴』」と言って良いでしょう。菅に配慮するよりも、感染対策を現在は先行しなくてはならないと思います。菅の方針では、感染爆発になってしまってから、大火事になってから沈下させるまでに、多くの人がさらに感染し、感染拡大を招き、医療崩壊が起こり、人民の生活が大混乱になることは、欧米等のこれまでの「感染状況と経済、状況」を見れば、分かることです。医療従事者が疲弊し、暗澹たる未来しか見えなくなって自死された例もTVで放送されました。そうならないうちに、「Go To事業」をとりあえずやめるべきです。
 
 読者の皆様、労働者の皆様、学生の皆様はどのようにお考えになりますか?

[261](投稿)お金を優先的に医療へ

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GoTo継続孤立無援 首相、需要喚起と強調 分科会「医療が持たない」 野党「感染阻止と矛盾」
11/21 09:43 北海道新聞デジタル版より引用

 道内などで新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない中、政府は需要喚起策「Go To キャンペーン」の軌道修正を迫られた。20日、政府の新型コロナ感染症対策分科会は事業停止を求め、参院本会議では観光業など「事業者支援」を盾に継続を譲らない菅義偉首相に対し、「真の支援になっていない」と野党の批判が集中。首相はなお需要喚起策の必要性を強調したものの「四面楚歌(そか)」の厳しい状況に置かれた。
「感染拡大の早期の沈静化、そして人々の健康のため、政府の英断を心からお願い申し上げる」。20日夜、新型コロナ感染症対策分科会終了後の記者会見で尾身茂会長はこう述べ、政府の対応を強く促した。「Go To」事業については「一般的に人々の移動が感染拡大に影響する」と関連性をにじませた。
 提言は、道内の一部など感染が急速に拡大している地域では当面3週間、飲食店の営業時間短縮や「Go To」事業の運用見直しのほか、感染拡大地域との移動の自粛も求めた。道内などは病床が逼迫(ひっぱく)しているとし、「国の(上から2番目の)ステージ3相当と判断せざるを得ない状況に早晩至る可能性が高い」と強い危機感を示した。
 国民向けには、飲酒を伴う懇親会やマスクなしでの会話など、感染リスクが高まる「五つの場面」を避けるよう改めて呼び掛けた。
 分科会終了後、メンバーの釜萢(かまやち)敏・日本医師会常任理事は、記者団に対し「政府の方針と異なることになるが、今は厳しい大きな転換点にある」と提言に踏み切った理由を説明。「連日最高の感染者数を更新する所があちこちに出ており、このままの状態で医療が持つとは、私にはとても思えない」と漏らした。
 分科会は予定時間を大幅に超え、2時間に及んだ。提言では「Go To」事業が感染拡大の主因とは結論付けなかったものの、メンバーの1人は「このタイミングで見直さなければいけないと、メンバーみんなが思っていた」と明かす。
 分科会は予定時間を大幅に超え、2時間に及んだ。提言では「Go To」事業が感染拡大の主因とは結論付けなかったものの、メンバーの1人は「このタイミングで見直さなければいけないと、メンバーみんなが思っていた」と明かす。 20日の参院本会議でも、政府は、野党側から「爆発的感染を阻止すると言いながら移動を促進するのは全く矛盾している」と追及を受けた。首相は感染状況を「最大限警戒すべき状況」と認めたものの、観光関連で約900万人が働いているとして、「ダメージを受けた旅行、飲食業界を支援し感染対策と経済の回復を両立させる」と強調した。
 一方で、同じくダメージを受けた事業者向けの支援である持続化給付金の期限延長については、「特例的な措置だ」と否定的。治療にあたる医療従事者への慰労金の追加給付に関しても「まずは(既存の)支援を医療現場に速やかに届ける」と消極姿勢だ。「現金給付はしたくない」(自民若手)との思惑も透ける。
 立憲民主党枝野幸男代表は、記者団に「感染拡大地域ではGo Toトラベル関連でキャンセルが相次いでいる」とし、事業の継続が観光関連業者の支援にはつながっていないと指摘。「事業を停止し、キャンセル分を国が補填(ほてん)する方が苦境の支えになる」と批判した。(吉田隆久、小森美香

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント

 北海道では20日、新たに304人が感染し、2日連続で過去最多を更新した。300人を超えたのは初めてで、鈴木知事は21日からの3連休について、道民に「感染リスクが回避できるか迷う場合は、不要不急の外出や札幌との往来を避けて欲しい」と慎重な行動を求めた。道内の累計は6660人(実数)。1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は31・03人と過去最多となり、東京の18・92人、大阪の21・2人と比べて突出している。知事は「極めて厳しい。診療や救急医療に支障が生じかねない」と危機感を表明した。医療体制の逼迫(ひっぱく)が迫っている。3連休などの感染状況をみて全道の警戒ステージを4に引き上げることも含めて検討すると言っています。
 政府の分科会では「GoTo」は「北海度などを除外する提言」が検討される地域になっています。
 「GoToトラベル」関連でコロナ罹患者が増加しているのは間違いないと思います。このまま放置すれば、医療過疎地の北海道で、医療崩壊が起こる懸念があります。札幌市でも危機的状況になってきています。
 なぜ、菅は「GoToトラベル」関連事業にこだわり、「需要の喚起策」ばかりに執着するのでしょうか?理解できません。
 現時点での「敗戦」を認めないで、旧日本軍のように「転戦する」とか、「特攻」するとか…に近い言い方と思われる「経済を回す」と言う「オウム返し」の言葉を言う前に、医療に必要な防護服、医療用マスク、消毒や滅菌する諸材料を、病院や高齢者施設に支給することや、防護をするための「感染回避方法の講習会」等を医師・看護師、介護士…等の多職種の方たちに幅広く、感染防護策を身に着けてもらうことを優先し、感染防護方法の研修を受けるための費用をなぜ出さないのでしょうか?
 クルーズ船を下ろされた岩田健太郎神戸大学教授は、防護服の着脱に数10回は訓練しないと駄目ですよと言っています。多くの医療関係の人や介護の方たちにも同じく、感染回避の講習会と実習を繰り返し行わないと、警戒感が薄れるのではないかと思います。
 これらのことは、全国的な問題です。わずかながら、感染数が少ないところもありますが、余すことなく、「防護策を獲得する」という「免疫」をつけることが先決です。
 ワクチンが出てくるのは、もっと先になり、多くの人にワクチンがいきわたらないと、ワクチンによる感染防御の威力・効果が発揮できないといわれています。もはや感染対策と裏腹な「GoToトラベル」関連事業のせいで「手遅れ」になっているかもしてませんが、なんとかして感染対策の「実効」が上がる手法を実施してもらいたいと思います。
 そのためにこそ貴重な「お金を使う・血税を使うこと」が必要と思います。

読者の皆様、労働者の皆様、子供さんや高齢者の親を抱えていらっしゃる皆様、学生諸君はどう思われますでしょうか?
 
 

[260](投稿)菅の不条理

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感染最多、首相「最大限の警戒状況」 GoTo言及せず
菅義偉首相は19日午前、新型コロナウイルス感染症の全国の1日当たりの新規感染者数が18日に2200人を超え、過去最多となったことを受け、首相官邸で記者団の取材に応じた。首相は「最大限の警戒状況にある」とした上で、担当の西村康稔経済再生相と田村憲久厚生労働相に、19日の厚労省の助言機関と20日の政府の分科会の議論を踏まえ、更なる対策を打つよう指示したという。
首相は国民に対し、マスクの着用や3密の回避など基本的な感染防止対策の徹底を呼びかけた。専門家が感染リスクが高いと指摘している点を挙げ、飲食時でも会話する時はマスクをつける「静かなマスク会食」を求めた。「私も今日から徹底する」と語った。
政府の観光支援策「Go To トラベル」の見直しについて記者団が尋ねたが首相は答えず、官邸を出た。
政府の観光支援策「Go To トラベル」の見直しについて記者団が尋ねたが首相は答えず、官邸を出た。

※※※ 骨川筋衛門のコメント
 「全国感染者数初の2千人超 東京、警戒レベル最高レベルへ」という見出しが『北海道新聞』に出ています。「国内で18日」、新たに20203人の新型コロナウイルス感染者が確認され、過去最多を更新した。2千人を超えるのは初めて。これまで最多だった14日の1735人を大きく上回った。東京493人、神奈川226人、埼玉126人、静岡87人、長野30人といずれも最多を更新し、全国的に歯止めがかからない」と北海道新聞のリードに書かれています。(北海道では20日、新型コロナウイルスの感染者が新たに304人確認された。2日続けて過去最多を更新し、1日の感染者が初めて300人を超えました。)
「都は19日に有識者を交えた会議を経て、感染状況に関する4段階の警戒度を最高レベルの「感染が拡大している」に1段階上げる方針」。
 しかし、菅は「感染拡大でもGo To」継続の構えで「防止策徹底指示」とあり「感染防止と経済再生の両立を目指し姿勢を堅持する…都道府県知事と連携し高齢者施設でのPCR検査の徹底などを指示した」。(北海道新聞より引用)。加藤官房長官も菅の言葉を繰り返している。

 菅は「Go To キャンペーン」は自分の発想だから、決して後に引かない構えです。
しかし、医療が逼迫し、医療崩壊したら、元も子もなくなります。一般国民はどう行動したらいいのか?これも分からなくなると思います。
さすがに、「トラベル」については、医師会長も「我慢の3連休」を求め「感染拡大地との往来自粛要請」をしています。
 菅と小池の喧嘩が「東京外し」として春に現れましたが、この11月以降は、どこと菅は喧嘩して「Go To キャンペーン」を押し通すのかが「見もの」です。
 迷惑をこうむるのは、各都道府県の人民、医療関係者、高齢者施設関係者、学校関係者…飲食店、種々の小売業者…つまり全職種だと思います。米国や欧米のような「悲惨な状況になるのはないでしょうか?」
 
 しかし、「『菅は『Go To キャンペーン』は自分の発想だから、決して後に引かない」と言いましたが、眼前に見える景色は「医療崩壊と感染のさらなる拡大」です。
「自己主張」とか「自分の発想」とかに、こだわっている場合でしょうか?
「経済と感染のコントロール」とは、全くの「トレードオフ」つまり「両雄並び立たず」ではないかと思います。

読者の皆様、労働者の皆様、学生の皆様、目の前の感染拡大、医療崩壊を阻止するために、一致団結し、菅の「不条理な政策」に反対の声を上げていきましょう!!