[321]2021年を良い年に❗️

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新型コロナ感染症の拡大のなかで今年は暮れます。「新型コロナ危機のなかで」というテーマで5月にはじめた当ブログは、321回目になりました。ありがとうございました。
感染症は収まるどころか政府の愚策にも助けられ勢いを強めています。政府や資本家・大経営者の感染症対策は、いままで労働者、個人事業者、小さな企業などに大きな犠牲を強いており、これからもさらにそれは強くなるでしょう。
今回はこの一年で大きく変わった働き方について考えます。
テレワークが新型コロナウイルス感染症の広がりを契機として多くの企業で採用されてきました。
日経新聞が12月30日の社説でとりあげています。「在宅勤務用の裁量労働制で働きやすく、」という見出しです。
「新型コロナの感染拡大が止まらず、テレワークの活用が改めて求められている。感染症に強い社会をつくるため、在宅勤務をニューノーマル(新常態)の働き方として定着させる必要がある。
企業にとっては自律的な働き方を広げ、成果による評価を浸透させて成長力を高める好機でもある。労働時間規制を見直し、1日の時間の使い方について個人の自由度を上げるなど、テレワークのしやすい環境の整備が急務だ。」
11月中旬の調査では、正社員のテレワークの実施率は24¸7%だったそうです。(パーソナル総合研究所調べ)
社説はポストコロナ社会でも在宅勤務を仕事の常態にすべきだといっています。小生、この提案には疑問があります。
テレワークという就労形態をとりいれる経営者の動機は感染症があるなしにかかわらず、それが企業経営にとってメリットがあるからなのです。社説では「労働時間規制を見直し、1日の時間の使い方について個人の自由度を上げる」ことが急務だといっています。テレワークの本質的ねらいは労働時間規制の廃止にあるのです。1日の時間の使い方について個人の自由度を上げるというのは、例えば9時-5時といった労働時間規制をなくしてしまうことを「個人の自由度を上げる」と言い替えているに等しいのです。

在宅勤務用の裁量労働制とは

裁量労働制とは、実際の労働時間数にかかわらずあらかじめ労使間で定めた労働時間(みなし労働時間)だけ働いたものとみなす制度です。
テレワークに裁量労働制を導入すれば、自宅で時間にとらわれることなく働くことが可能になるのです。例えば、労使間でみなし労働時間を9時間と決めれば、9時間以上働いても残業とはみなされません。朝、昼、晩で合計10時間働いても残業したことにはならないのです。賃金は残業代にあたる金額も込みで決められます。
労慟者の健康診断や連続勤務時間の規制などが補足されますが、労働時間規制は基本的になくなるのです。長時間労働は自己責任となり、残業代は発生しません。資本家階級にとっては「夢」のような話なのです。
コロナ後にもテレワークがニューノーマルの名のもとに常態化すると、労働者は長時間労働が当たり前になってしまいかねません。

社説は「感染症に強い社会をつくるため」に在宅勤務をニューノーマルにすべきといいますが、感染症にかかる前に多くの労働者が長時間労働で疲弊する社会がつくられます。
テレワークはあくまでも感染防止の一時避難に限るべきでしょう。
皆さん、来年は労働者・学生・市民が団結してよい年にしていきましょう。