[409](投稿)ウイルスの誕生はヒトより先

f:id:new-corona-kiki:20210219122839j:plain
地球上のは現在、約175万種の生物が存在しているそうだ、それぞれが様々な生態系の中で生き、支えあって多様な世界が保たれている▼一方で38億年前とも言われる生命誕生から今日までに絶滅した種は数えきれない。生物学者池田清彦さんによると、これまでに出現した生物種の99%はもはやいない(「もうすぐいなくなります。絶滅の生物学」新潮社)▼隕石(いんせき)落下や地殻変動が主な要因だ。7万年前には現在のインドネシアにある火山の噴火が気温低下と食糧不足を招き、数十万人いた人類も7千人にまで減少したという。だが今では77億人まで増えた。知恵を絞り、環境に適応しながら、多くの危険を回避し、乗り越えてきたのだろう▼その中にはペストやコレラなど感染症のまん延もある。人類はネアンデルタール人から、優れた耐寒性やインフルエンザに強い遺伝子を受け継いだとも言われる。われわれが今あるのは数々の要因が積み重なってのことだ▼国内での新型コロナウイルスのワクチン接種が近く始まる。感染終息のカギとなるのは言うまでもないが、国民が安心して受けられるよう、政府には徹底した情報開示が求められる▼ただ他国での流行が収まらない限り、感染リスクは消えることがない。だからこそコロナから命を守るという目標で、世界が協力する必要がある。人類が蓄積してきた知恵が試されている。
(2021・2・14 北海道新聞 「卓上四季」より引用しました。)



※※※ 真田幸村のコメント


 『ウイルスの意味論』を書かれた山内一也氏は、「地球が誕生したのが1月1日だとして、ウイルスが発生したのは春頃だろう。人が誕生したのは大みそかの23時59分57秒くらいではないか」という意味のことをTVで話されていました。そのくらい、ウイルスの方が人よりも大先輩だということです。(山内一也氏は「天然痘撲滅」に大きな役割を果たされた研究者です。)
 ウイルスは悪いことばかりしているのでしょうか?良いこともしているということはありませんか?と小学生の児童に尋ねられてから、そのようなことに目を向けたことがなく、以来、幅広く探求し、海底の藻類で、熱湯が噴き出す付近でも生息している藻類を見つけ、その中にウイルスが共生していて、そのウイルスをいなくすると、その藻類は熱湯を吹き出す環境では生きていけないこと、ウイルスを再度入れてやると熱湯の吹き出す環境でも育つことを発見されました。ウイルスにもいろいろな働きがあるんですね。新型コロナウイルスのワクチン接種が始まろうとしています。
 山中伸弥氏の昨年の早い時期に始まった『山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信』によると、ワクチンが出来るのは1年から1年半くらい時間を要すると書かれていました。ほぼその「見通し」通りにワクチンが数社から作られ、送られて来ています。
 「日本で新型コロナワクチン開発ができないのかと疑問を持つ方もおられると思います。「なぜ日本はワクチン後進国なのか?」という問いです。これに対する一つの意見として、豊田真由子氏の意見を次回に掲載いたしたいと思います。新型コロナなどに対するワクチン開発の「先陣争い」や「国防」、「ワクチン外交」を繰り広げている諸外国のとどこが異なるかを考えてみてください。
 また、環境の面からも、現代の資本主義社会で、過度に農地を広げて、山林を荒らし、貧困層が奥地に入り込んで、コウモリやその他の野生動物を獲物として取って、生き延びていくということしかない人が新しいウイルスや病原菌等を持ち帰ってくるという事態そのものを根底から変えていく社会にならないと、「もうすぐいなくなります・人間が」ということになる可能性があります。
 「なぜ人は貧困になるのか」あるいは「多くの貧困層と少数の富裕層に分かれ、その中間層には、時に富裕層になり、時には貧困になるのか」という現在の「カジノ資本主義的社会的・経済的構造」をも考えないと、環境問題や病や治療薬だけの狭い範囲でしか物事を考えられなくなり、「人類の蓄積した知恵」も限られたものに終始するのではないでしょうか?



■■■『ウイルスの意味論』山内一也 著 みすず書房 2800円+税 239ページ
概要:
ウイルスの生と死は、独特だ。天然痘やインフルエンザなど、たびたび世界的流行を引き起こしたが、細胞外では活動せず、感染力を失ってすぐ死ぬ。また近年、3万年以上も冬眠していたウイルスが、再び増殖し始めたという。本書は、単なる病原体ではなく、生命体としての視点から、ウイルスの驚くほど多様な生態を紹介する。
もう少し要約などの一部を知りたい方は下記からご覧ください。 ウイルスの意味論 - 新刊ビジネス書の要約『TOPPOINT(トップポイント)