[410](投稿)原発のずさんな管理

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原発不正進入 報告遅れ 規制等長官 「適切さ欠いた」

 東京電力刈羽原子力発電所新潟県)の不正進入問題で、原子力規制委員会の事務局トップにあたる荻野徹・原子力規制庁長官は10日、規制委員5人への報告が4か月も遅れたことについて「適切さを欠いており、申し訳ない」と謝罪した。その上で今後は迅速に報告する姿勢を示した。同日の定例会で述べた。
 この問題を巡り、事務局は発生翌日の昨年9月21日に東電から報告を受けた。だが、軽微な問題と判断し、読売新聞が東電に取材した今年1月まで更田豊志(ふけたとよし)委員長らに説明していなかった。委員5人は問題を知らないまま、昨年9月23日に同原発の再稼働に必要な審査結果を了承した。
 この審査で、規制委は福島第一原発事故の当事者である東電に原発を運転する資格(適格性)があると認めており、この問題を受けて地元首長らが再審査を提案していた。だが、更田委員長は定例後の記者会見で、不正侵入問題は審査の対象外との認識を示し、再審査を「難しい。権力の乱用になる」と述べた。
 この問題では、20歳代の男性所員が他人のIDカードえ中央制御室に進入した。ゲートで所員の情報とIDカード上の情報が一致せず警報が鳴ったが、警備担当者がデーターを書き換え、所員を通した。
 規制委員会は定例会で、東電が対応ルールを策定していなかったとして、核物質防護規定に違反すると認定した。規制委は東電に3月10日までに原因究明などの報告を指示している。(2021・2・11 読売新聞より引用)

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント

 他人のIDカードで「不正進入」ができるということに関して、他紙では、「テロ」目的で「進入」する事態も懸念する報道もありました。
 もしかしたら、原子炉を「爆破」するという「目的」で進入したとすれば「第二福島第一原発事故の二の舞」になるやもしれない、ずさん極まりない「被害甚大な大事件」になっていたかもしれないわけです。
 しかし、原子力規制委員会の事務局トップの荻野徹氏は、4か月も報告が遅れ、さらには更田委員長は、地元の首長らが再審査を提案していたにも関わらす、「権力の乱用になる」という「言い訳」で、再審査をしない方向へと誘導しました。
 この場合は「権力の使い方が間違っている」わけで、当然ながら、この件では「規制委員会」の「権力」で、「原発稼働の許可は出せません」と断言すべきです。これは決して「権力の乱用」ではないわけです。
 更田委員長は、事態の重要性の認識がなさすぎるか、彼には東電の原発稼働を早期に認めようとする意図があったとしか思えません。原子力規制員会の規制の甘さがここでも出ています。原発稼働年数は40年と言われていますが、これなども突破する可能性もおおいにあると思います。
 MOX燃料(注1)を使えるようには設計されていない原発に、MOX燃料を入れて再稼働を許可するくらいの「大甘」な、「原発稼働促進委員会」と名乗るのが適切な委員会ですから、IDカードを警備担当者が書き換えたりしても、「規制委員会」は看過し、「優待券を発行するか」のような処遇で良いのでしょうか?しかも「再審査」をすると「権力の乱用になるから」しないと、一見「権力の乱用反対」論者のようなふりをしていますが、本当のところは「職権乱用」をしたことになりませんか!?
 「適切さ」を「欠いた」のは、更田豊志委員長および報告を遅らした荻野徹原子力規制庁長官の少なくとも2人です。これからも「原発稼働に反対」して行く必要があると思います。
 読者の皆様は、どのようにお考えになりますでしょうか?

(注1)MOX燃料とは:原子力発電所で使い終えた燃料(使用済燃料)の中には、まだ燃料として再利用できるウランやプルトニウムが残っています。このウランとプルトニウムは、使用済燃料を化学的に処理することにより、取り出すことができます。(再処理)
この取り出したウランとプルトニウムを混ぜ合わせて作ったのがMOX燃料です。

MOX燃料を使用すると、日本の公衆に対するリスクが大幅に増大することをはっきりと示している。 炉心の4分の1にMOXを装荷した場合、ウランだけの炉心の場合と比べ、重大事故から生じる潜在的ガン死は、42~122%*、急性死は10~98%*高くなる。