[690](投稿)獅子母と鬼子母に思う

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獅子母と鬼子母
10/29 05:00
インドのライオンのメスには自分の子を守るための秘策があるという。生物学者ストートラ・チャクラバルティ博士の研究グループが発見したとナショナル・ジオグラフィック誌が伝えた▼ライオンのオスは自分だけの遺伝子を残すため、乗っ取った群れの子供を殺すことがある。ところが、ギル国立公園で暮らすメスの「FLG10」が縄張りで出くわす複数のオスと交尾したところ、いずれのオスも「FLG10」の子供を殺すことがなかったそうだ▼「父親をわからなくすることで全員に自分の子だと思わせたのです」とはチャクラバルティ博士の分析だ。子供を守りたい一心の母の本能に脱帽である▼大阪府摂津市の3歳児が熱湯をかけられて死亡した事件で母親と交際相手が暴行容疑などで相次ぎ逮捕された。暴行の様子を撮影した動画まであったという。母はわが子に牙をむいてしまったのだろうか▼昨年度の児童虐待相談件数が全国で初めて20万件を超えた。道内でも2年前に当時2歳の女児が衰弱死する事件があったばかりだ。母親と交際相手の有罪判決が今年確定したが、失われた命が戻ることはない▼人の子を食らう鬼子母も釈迦(しゃか)の教化でわが子を失う悲嘆を学び、仏に帰依して産生と保育の神となった。周囲の支えがあれば、育児に悩む親の心に芽生える邪悪もいくばくか弱まろう。人には獅子の母の愛にも並ぶ知恵があるはずだ。2021・10・29(北海道新聞 コラム「卓上四季」より)


★★★ 労働者の投稿

 現代社会は、子殺しはおろか子も思春期の青少年・少女や父母などを「簡単に」?殺害してしまうニュースが溢れています。

 身体的殺害でなくても、これまで看護学校の何人もの生徒が先生にいわれのない非難を浴びせられ、退学に追いこまれるという事態も発生しています。傍でそれを見分している先生たちが止めようともしなかった事実が後に判明しています。

 また、学校の先生たちも深夜に渡る予習や研修計画や部活動に力を入れるなどを言語表現されない形で・同調圧力も含めて無言の圧力でによってサービス残業に追い込まれ、寝る間もなくなり疲弊し、うつ病などで休職や病院への通院・入院を余儀なくされています。

 これらの事態は業種は異なりますが、普遍的に生じています。コロナ禍では、派遣切りは「普通のこと」になっています。派遣社員は労働力を提供する労働者の市場の便利で雇用主の「安全弁」になっています。賃金も法定の最低賃金制度は守られず、労働力を雇用主の言い値で買われていきます。厄介払いも平然と行われていて、首になった労働者は泣き寝入りか、自分の能力の無さだと自責的になり、自死する人が急増しています。

 生活保護でさえ、条件を満たしているにもかかわらず、受けられない人たちや光熱費や水道代を惜しんで食費にしている家庭が溢れかえっています。「炊き出し」や「子ども食堂」は今や「一家まとめての配給食堂・お持ち帰りの食堂」となり、週に2回も一家が食べられる弁当にありつければ有難いと涙を流す子だくさんのシングルマザーも極めて多いと報道されています。

 以上の事象を見ても、多くの中小の事業主にも厳しい時代ですが、大企業の創始者や株主に「分配」を叫ぶ政治家が、他方で、賄賂のやり取りや票田の開墾だけに熱を入れる議員立候補者のありようは「低劣なフェイク・ニュース」としか思えません。

 選挙結果はどうであれ、食べるものさえない人々をうみだしている社会をいかに変革するか、人口の大半を占める労働者同士の助け合いと団結を進めることの重要性を訴え続けたいと思います。

 同時に現岸田政権が掲げる「収入あっての分配」政策は、これまでの「アベノミクス(アベノマスク?)」・「トリクルダウン(とち狂ってダウンする?)」を継続することの言い換えでしかないと思いませんか?(すでにこれまでの「新自由主義の政策・小さな政府政策…の結果」、これまでの20~30年の労働者の平均賃金は横ばいと報道では言われています。その結果、消費税などで吸い取られている血税などの出費が増えて、貧困の奈落に落ちているのが諸労働者の現実です)。安倍や麻生や甘利らに支えられている岸田の「収入・分配」政策に対して、すべての労働者・人民は反対の声を大にし、吸血鬼と変わらぬ政府を弾劾して行こうではありませんか!!