[565]中国共産党創立100年

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中国共産党100周年
その1


中国共産党への批判を封じこめる習近平指導部

 

 香港のりんご日報が香港政府から資産を凍結され、6月24日朝刊をもって廃刊に追いこまれました。天安門事件をきっかけとして中国共産党の批判をつづけた同紙創刊者黎智英さんは国家安全維持法違反で逮捕され収監されています。りんご日報の経営や編集のトップはすべて拘束されています。背後で共産党100周年の行事を控えている中国習近平指導部が動いていることは明らかです。批判するメディアにたいする異常な締め付けです。

 6月12日、反政府運動のリーダー周庭さんが禁固刑を終えて釈放されましたが、表面的には昨年の周庭さんの元気さはみうけられませんでした。周庭さんは一昨年6月香港で逃亡犯条例反対の反政府のデモを組織したとされ、公安条例違反の罪で禁錮10カ月の実刑判決を受けていました。これから国家安全維持法違反容疑で取り調べられる恐れもあり、当面の弾圧を避けるためには抗議の意思表示すらセーブしなければならない状況なのだと思われます。それほどまでに中国共産党の締め付けはきびしいのです。

 昨年7月、香港では中国共産党に敵対する芽を摘みとることを目的として「国家安全維持公署」という名の中国政府の出先機関がつくられました。中国政府は香港の反対運動を弾圧し取り締まるために300人の党官僚・公安警察を送りこみました。公署は行政府の上に立つ事実上の香港の最高権力機関として設置されたのです。この公署は国安法に①香港における国家安全情報を分析・判断し、戦略や政策を出す②香港政府を監督・指導すると定められているのです。(6月27日朝日新聞朝刊参照)

 しかしこうまでして批判者を弾圧するということは、中国共産党が主導する中国政府の諸政策が香港の労働者・民衆から反発され強権的弾圧に訴えて支配を強化せざるをえなくなっているということを意味しているのです。
 

中国の資本主義化を進める中国共産党


 中国共産党は7月1日で結成100年になります。いまや党員が9190万人をこえる大きな党になりました。中国では記念日に向けて習近平礼賛の企画が組まれお祭りムードとなっています。

 中国共産党は1937年に開始された日本帝国主義の中国侵略に抗して闘い、労働者農民の解放をめざした中国革命を実現するためにたたかいました。そして1949年、毛沢東周恩来らとともに中国労働者階級農民の先頭に立って中華人民共和国を成立させたのでした。それから72年後こんにちの習近平·中国は、「中国の特色ある社会主義」をうたっていますが、党=国家官僚がレギュレイトする資本主義国家へと変転したのです。

 2019年時点で中国の賃金労働者は約7億7640万人といわれています。

 中国の資本家は商品=労働市場で生産諸手段と労働力商品を買い入れ、直接的生産過程において労働力の使用価値を生産諸手段のそれとともに消費することをとおして剰余価値をふくむ新たな価値を生みだしこれを取得しているのです。習近平の中国においては労働者・農民工は搾取されているのです。搾取しているのは党員でもある資本家です。
 巨大化した中国資本主義はこんにちの中国共産党によって「後戻り」させることはできません。団結した労働者階級によって倒されないかぎり社会主義が実現されることはないだろうと思います。

つづく