[695](投稿)「新しい資本主義」

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新しい資本主義
11/02 05:00

首都リマ郊外で小さな縫製工場を造る社会実験が行われたのは、ペルーがインフレに苦しむ1980年代のことだった。主体はペルー中央準備銀行頭取だったフェルナンド・デ・ソトがつくった研究所。経済問題解決のための試みだった▼研究所員が困窮する国民同様に特別扱いなく起業したところ、必要な許可を取る役所は11カ所にも上り、稼働までに10カ月と2件の賄賂を要した。その費用は人件費を上回り、多大な利益を失った▼政治が不安定な国では政府を当てにしない「非公式経済」が発達するという。その概念はデ・ソトの著書「もう一つの道程」に由来する。庇護(ひご)を受けない小企業の経済はいわば起業家精神に基づくベンチャー。富裕層や特権階級に対する一種の蜂起であろう▼その著作を高く評価したのが、「資本主義の文化的矛盾」で知られる米国の社会学の巨人ダニエル・ベルさんだった▼マクロ経済の成果もその分配が特権階層に偏在している限り、貧困や不平等はなくならない。かえって貧富の差が広がるということだと社会文化学者の正慶(しょうけい)孝さんが解説していた▼1990年の論文だが、まるで今の日本の成長鈍化と格差を予言したような見立てである。適正な分配は待ったなしの状況だ。岸田文雄首相はきのう会見し、「国民の生活を支える」と宣言した。首相が言う「新しい資本主義」の中身が問われる正念場である。2021・11・2(北海道新聞 コラム「卓上四季」より)


◆◆◆ 労働者・火野足平のコメント

どこの国でもアベノマスクが流行る土壌を持つ国ばかりですね。賄賂(わいろ)の国の林立が「新しい資本主義」を唱えてもなくなりませんね。「新しい資本主義」を唱えても、かねてより言われている「新資本主義」とどこが異なるのか教えてほしいものです。★「3Aの甘利が外れても2Aのかじ取りで決まるらしこの国は」と思わず浮かぶこの世の未来像は、諸物価も上がり、ますます息苦しい=生き苦しい世の中になりそうです。★「この国を支える」と岸田首相は言ったということですが、「この国の支配者階級を支える」ということを意味していると思います。そのためには諸労働者を過酷な労働に従事させ、長時間低賃金で使いまわし、生活は一向に楽にはならないと思います。★分配する物の値が高騰していき、何時まで経っても低賃金労働者、生活保護受給者、生活保護すら受けられない人たち、今日のご飯も食べられない・子供も抱えて困窮している人たちのことには埒(らち)外の政権です。首相の分配というのは口だけだと思います。世界中の国と支配者階級の人々は他国や他国の人々を蹴とばしてでも自国の支配者者階級の利益を守ろうと「必死」です。そこに「分配」などという綺麗ごとはありません。「新しい資本主義」は無いのです。「聞く耳」を持っていると喧伝していましたが、早くも「赤木さん問題」は、無いかのようにされています。この事態こそが「新しい資本主義」の正体だと思います。大きな声で岸田首相を弾劾したいと思います。