[696]さらに右へカーブを切りはじめた「連合」

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 連合の芳野会長が記者会見で衆院選の結果をうけこれからの政党との関係を語りました。
「労働者のための施策をやる政党があれば是々非々でいい。連合の対応の仕方も考える時期に来ている」と言い、立憲民主党の支持を見直すことを明らかにしました。
 また自民党を支持すると「緊張関係がなくなる」ので「いい意味でのお互いの緊張感を持つため連合は野党につく」とも言いました。
 労働運動のリーダーが何を今さら言うのだろうと思いますが、こういう発言を今行うのは連合の内部に自民党を支持する声が上がってきていることを意味しているのです。連合は労働者の利益を守るために自民党と闘ってきたのではないでしょうか。自民党は労働者のためにではなく財界のためにあるから労働組合はたたかってきたのです。自民党といい意味での緊張感をもつために野党につくといいますが、自民党にすり寄る声があるからこういう理由づけをしなければならないのです。戦前の産業報告会の轍を歩む勢力が連合の中に大きな力を形成してきているのです。
 
 実際、さきの衆院選で全トヨタ労連(35万人)は立憲民主党推薦をやめたのです。

 トヨタの労組が与党寄りになったことを芳野会長としてどう考えているのかと思います。愛知11区で自民党が勝ちました。トヨタ労連が立憲候補を下ろしたためです。こういうことがやれるようになったということは、労働運動にとってとても大きい問題です。立憲指導部も煮えきらない対応しかしていません。労働運動の中からたたかう基盤が崩されていることに危機感をもって対決しないと選挙に負けるのはあたりまえです。
 
 衆院選挙を通じて連合は今日版「産業報告会」へとさらに脱皮しました。今後、全トヨタ労連をはじめ労使一体化が進む大きい労働組合の動きは注視しなければならないと思います。労使一体化した労働運動はさらに貧窮化する労働者に我慢を強いる役割を担います。
 「躍進」した維新は早くも来年の夏の参院選改憲国民投票をやろうといいはじめています。与野党が協力して改憲のステップを一段登ろうとしているのです。今日版大政翼賛会が現実のものとなっています。
 労働運動がそれを下支えすることを是認してはならばいと思います。
労働組合