[1085]NISA 現役に照準

 日経新聞が「恒久NISA 現役に照準」という見出しでNISAの奨めをしています。私はNISAという言葉を知りませんでしたが、岸田首相の「新しい資本主義」論によく出てくるので調べました。NISAとは何でしょう。

 少額投資非課税制度のことでNippon Individual Saving Accountの頭文字語をつなげた略語です。

ウェブ記事を紹介します。

2022•11•25

 岸田政権は時限措置だったNISAの制度を恒久化する

 政府は25日、資産所得倍増プランの案を公表した。少額投資非課税制度(NISA)は非課税期間を無期限にして今後5年間でNISA口座数と投資額を倍増する。家計に眠る預貯金1000兆円の一部を誘導する狙いだ。過去に何度も叫ばれてきた「貯蓄から投資」の起爆剤とするには、シンプルな制度設計や非課税枠の拡大が焦点になる。

 岸田文雄首相は25日、新しい資本主義実現会議の分科会で「一般NISAとつみたてNISAの双方の恒久化を実施する。金融商品から得た利益が非課税となる期間を無期限化する」と表明した。これによって「中間層を中心とする層が将来にわたって安定的に資産形成を行う環境を整備する」と述べた。

 「我々が提案してきた内容と方向性が合致する。高く評価したい」。日本証券業協会の森田敏夫会長はこうコメントした。現状のNISAは非課税期間が決まっていて「長い目線の投資を促していくのにそぐわない」という声が多かった。これから資産を積み上げていく現役世代を取り込むための舞台が遅ればせながら整うことになる。

以上抜粋

 要するに貯蓄した個人のお金を投資に回し、金融市場の活性化に寄与してほしいということです。株が暴落したら資産は一瞬にしてゼロになります。

 また現役世代はこの30年賃金が上がらず、非正規雇用形態の労働者は下がってさえいます。資本家階級の代表部経団連は口では賃上げすると言いますがこの先も賃金抑制をつづけるつもりです。

 連合指導部は23春闘の賃上げ要求を5%としていますが、それではこの物価高では生活できません。

 9月のNHKスペシャル中流危機を越えて”というタイトルで、賃金が上がらず苦しむ労働者にインタビューしていました。

 会社に貢献しても賃金が上がらずこれからも希望が持てないので、投資に頼る働き盛りの労働者が映されました。

 岸田の「新しい資本主義」のNISAとは、賃上げに頼らず投資で稼げということではないでしょうか。

 労働組合のなかにはNISA説明会をおこなっているところもありますが、組合はNISAに頼らず大幅賃上げを自ら勝ちとるために闘わなければなりません。