[1128]岸田首相、中露包囲網づくり

 

 タモリさんが黒柳徹子の昨年末のトーク番組で、2023年はどういう年になると思いますかと問われて、「新しい戦前」になると思うと答えたそうです。11日の朝日新聞天声人語」で知りました。

 年末のバタバタした政府の動きを伝えるメディアの報道を冷静な目で見ている人はそう感じるのだと思います。

 9日に訪欧に立った岸田首相はイタリア、フランス、イギリス首脳と会談し、対中露の軍事的協力体制を確認し、「実績」をつくっています。13日のバイデンとの会談に繋げていきたいのでしょう。

 11日岸田首相はイギリスの首相スナクと会って「円滑化協定」を結び日英共同訓練で部隊の往来をしやすくしました。イギリスでは10%のインフレによる物価高で、暖房の電気代を節約し食事を抜かなければ生活できないほどの貧困が広がっています。今労働組合が賃上げのストライキ闘争を組織的に展開しており政権は揺らいでいます。それでもスナク政権は、対中露の西側諸国の軍事的パートナーシップの強化を試みています。

 ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに中露にたいして西側資本主義諸国支配者階級は全世界的な軍事的協調体制を構築しはじめました。戦争体制の構築を急ぐ各国政府の足もとでは、ロシアにたいする経済制裁のはね返りを一因としてエネルギー危機が深まり、物価の値上げが労働者民衆を直撃しています。

 生活の危機が深まる中で東西の各国政府は民衆の目を外に向けて統治の危機を乗り切ろうとしています。

 ソ連邦の自己崩壊を歴史的結節点とし労働運動、平和運動の脱イデオロギーが進行し労働者階級の闘いは後退しました。しかし今、資本主義の勝利の仮象は崩れてきました。第二次世界大戦の戦後は終わり、新たな戦争の時代に入りました。

 戦争反対、大幅賃上げのスローガンのもとに労働者階級は国境を超えて団結しなければならないと思います。