[923](投稿)最高裁、原発事故の国の責任否定


巨大津波予見可能性には触れず 最高裁原発事故の国の責任否定
06/18 05:00
 <解説>東京電力福島第1原発事故の避難者集団訴訟に対する17日の最高裁判決は、国が規制権限を行使しなかったことと事故の因果関係を重視し、行使しても防げなかったとして国の賠償責任を否定した。ただ、国には原発を国策として進めてきた責任をあいまいにせず、今なお約3万人に上る避難者らと向き合う姿勢が求められる。 一、二審では国の責任を認める判決も出されていたが、最高裁は「規制権限を行使していれば、被害者が被害を受けることはなかったであろうという関係が認められなければならない」と強調。事故の9年前に政府機関が公表した「長期評価」の信頼性や巨大津波予見可能性については触れず、事故が回避できた可能性の検証に重きを置いた。その結果、権限を行使したとしても津波は想定を超え、回避できなかったと結論付けた。権限の不行使を違法と判断するハードルの高さが、あらためて浮き彫りとなった形だ。 一方で「国が東電を規制する立場だったにもかかわらず、役割を果たせていなかった」との指摘は根強い。菅野博之裁判長は「電力会社以上に国が結果を引き受け、過失の有無に関係なく被害者の救済に最大の責任を担うべきだ」との補足意見を付けた。国は法的責任を免れたものの、復興など国の責任で行うべきことはまだ多く残されており、今回の判決は「免罪符」とはならない。(立野理彦)(北海道新聞デジタルより引用)

★★★ 一労働者の意見:
 国家が関わる大問題、とりわけ福島第一原発事故に関しては、ほとんどと言っていいほど最上級裁判所である「最高裁」は、東電や国の「責任」を認めない判決を出すとしか思えません。「裁判長は『電力会社以上に国が結果を引き受け、過失の有無に関係なく被害者の救済に最大の責任を担うべきだ』との補足意見を付け」て、お茶を濁して「収束させた」だけです。

 ★長い間、地震津波によって「過酷な原発事故」が生じるという「予見ができた」という見解と逆の「予見はできなかった」という見解が対立してきていますが、東京電力や他の各電力会社は早くから地震津波に対する対策の甘さを指摘されてきたはずです。しかし、是正はしてこなかったので「原子力規制委員会」が是正勧告を出して「合格」したとした「原発」の再稼働をいくつか認めてきました。この流れからすると今回の最高裁の判決が出る前から、「予定調和」で終わることが「予見」されました。

 ★地震列島、火山列島津波列島=災害列島である日本列島で原発の稼働をしてはならないことを福島第一原発の最大級の過酷事故は、それを証拠立てする事故以外の何ものでもありません。昨今、福島県を含む近県でしばしば地震が生じています。今後も再三再四、大地震や大津波が起こりうる可能性があります。これまでの被害者の救済だけではなく、福島第一原発の最も過酷な事故の予見はできたかどうかではなく、今後、二度と起こらない措置をすること、すなわち原発の稼働・再稼働を認めないことが、被害者の救済とともに政府に意見すべきだったと思います。

 補追■■■重大事故を起こした東京電力福島第1原発が立地する福島県大熊町の帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が6月30日午前9時に解除されることになっていますが(双葉町も候補に挙がって帰還が予定されています。)、本当に残留放射能の安全性が担保されているのかも懸念されます。 

 ●●●皆様はこの判決をどのようにお考えになられますでしょうか!!