[1047]中国共産党大会で胡錦濤前総書記が退去させられた

 22日中国共産党大会閉幕式のテレビニュースで胡錦濤前総書記が途中退席する姿が放映されました。映像を見た私は嫌がる胡錦濤を体格のいい男が脇を抱えて立たせ習近平の後ろを通って、ゆっくりと引っぱっていったように見えました。

 この動きを朝日新聞デジタルが解説しています。

 

胡錦濤氏の退席は「体調不良」 新華社 「人事に不満」を打ち消しか 10/23(日) 12:20 Yahoo!ニュース

 中国共産党大会の閉幕式で、胡錦濤前総書記が途中退席したことを巡り、国営新華社通信は22日夜、英語版の公式ツイッターで「胡氏は体調が優れなかった」と理由を説明した。この場面は世界中で報じられ、胡氏が党人事に不満があったなどと臆測を呼んだが、この打ち消しを試みた形だ。 【写真】係員に腕をつかまれて退席する胡錦濤前総書記が、習近平総書記に近づいた  

 習近平(シーチンピン)総書記の左隣に座っていた胡氏は、党規約の改正案などが採決される前に退席した。初めは退席を拒んでいるようなそぶりを見せたが、その後係員に腕をつかまれた状態で壇上から離れた。映像は世界に伝えられ、波紋を広げた。

 新華社通信は、「彼の健康のために係員が会場の隣の部屋まで付き添った。いま体調はだいぶ良くなっている」とツイッターに投稿した。 ツイッターは中国で原則として閲覧できず、新華社ツイッターも主に海外向けの情報発信を意識している。一方、胡氏が途中退席したニュースを中国の主要な国営メディアは報じていない。

 党大会では、党序列2位の李克強(リーコーチアン)首相が指導部から退くことが決まった。李氏はエリート養成機関と言われる中国共産主義青年団共青団)出身で、胡氏につらなる人脈だった。そのため、胡氏が習氏に不満を表明したとの見方も出ていた。(上海=井上亮) 朝日新聞社

 

 中国共産党の新しい指導部は、李克強首相ら習近平に批判的な意見をもつ現指導部が退任、習の側近で固められました。

 胡錦濤は反発して抵抗姿勢を示したと思われます。その姿がリアルタイムで世界に流されました。予定計画的な出来事とは思えません。習近平にとってはショッキングであったでしょう。

 習近平は総書記になりナンバー2以下を習派で固め一強体制を確立ました。

 習近平は、大会中にDNPの発表を中止しました。上海のロックダウンの影響で22年4〜6月のGDPは0·4%増で大幅ダウン。7〜9月期は3%台に回復する見込みでしたが、発表すれば今年のGDP成長率目標である5%が未達になることが明らかとなります。なおDNPは低迷しており、習近平は自らの失政を押し隠すために異例の発表延期に踏み切った思われます。

 中国の経済危機はさらに深まるでしょう。生活危機に苦しむ労働者階級の闘いを懐柔あるいは弾圧して乗り切ろうとするでしょう。これからの中国共産党が動向を注視する必要があります。