朝日新聞が「ニッポンの給料」というタイトルで、賃金の停滞は、なぜなのかについて特集しています。
2月10日の朝刊で連合芳野会長と経団連大橋副会長の意見を載せています。一部を紹介しつつ私の意見を書きます。
(ニッポンの給料)春闘、賃金低迷、労使の考えは 2氏に聞く
2023/2/10朝日新聞
歴史的な物価高の中で始まった今年の春闘。働き手は大幅な賃上げを期待するが、労使はどう取り組むのか。また長く続いてきた賃金低迷の理由を、どう見ているのか。連合の芳野友子会長と、経団連で春闘を担当する大橋徹二副会長(コマツ会長)に聞いた。
以上朝日新聞の見出しとリードです。
まず、芳野会長に聞いています。
■連合「賃上げに向けた機運の醸成を」
ーー今年の春闘にどう取り組みますか。
芳野会長「賃上げに向けた機運の醸成が大事。(政策要請をしたり、賃上げを訴えるラッピングカーを走らせたりする)『緊急アクション』を始めた。賃上げをしなければ置いていかれるという雰囲気をつくりたい」
私の意見∶
労働者の賃金は実質的に下がりつづけているのでストライキも辞さず経営側に迫ります、というくらいの構えがなければだめです。
政労使会議や連合会長の自民党大会への出席は賃上げ機運を醸成するためと意義付けされていますが、政府、自民党にすり寄って賃上げのさじ加減を委ねているとしか思えません。労働組合員全員で賃上げ運動をつくり、労働者意識を高めることを忘れているのではないか。
ーー日本の賃金の低迷について、労使はどんな反省をすべきでしょうか。
芳野会長「1990年代以降、経営側はリスク回避、短期利益の追求、株主重視の姿勢を強めた。その結果、人への投資がおろそかになったと指摘せざるを得ない。」
私の意見∶
組合が経営者に『人への投資がおろそか』になったというのはおかしいと思います。連合は賃金要求を「人への投資をせよ」と言います。資本主義社会で資本家が労働市場で労働力を買うのは投資といえるでしょう。資本主義社会で労働力はその使用価値の消費が価値の源泉となる商品です。言うに任せよという気持ちです。
しかし労働組合の側が資本家に人への投資をと言うのは、労働力を商品として売らなければ生きられない存在である労働者階級の尊厳を自ら否定するものです。
私は人への投資という言葉を聞くと、オレたちを投資の対象にするなという気持ちになります。
つづく