[1360](寄稿)医療あれこれ(その92)−1

皆様 

 ついに9月になりましたが、相変らずの猛暑が続いています。7月・8月は統計を取り始めて以来、最高の平均気温だったとの報道がありました。地球の温暖化がすべて二酸化炭素排出増のせいだというのには異論もあるようですが、化石燃料の使用、特に戦争による武器の大量使用などが地球の未来に暗い影を投げかけているのは間違いないでしょう。
 ただ、明日は久しぶりに関東にもまとまった雨が降るようです。ウェザーニュース猛暑日の予想はほとんどなくなっています。今年は新潟地方に雨らしい雨がなく、コメが不作のようです。阿賀野川下流域では、水量が減って、海水が逆流し、水田の「塩害」も起こっているとのこと。私たちはこれからの時期、お世話になった人びとに、新潟のお馴染みのお米屋さんに頼んで女房がお米を贈るよう手配するのですが、厳しい状況だとの知らせがありました。強い太平洋高気圧に阻まれて、台風がしばしば発生しても東日本には近づけません。先日、講談社ブルーバックスの『気象学入門』という本を読み終えましたが、様々な物理学の法則が出てきて、最後はわけがわからなくなってしまいました。気象予報士さんの能力・努力を見直しました。

 さて、添付ファイルは、この間お話した「恩寵の時間シリーズ」のひとつです。KR先生のことを書いた文章です。(編集者より∶後日紹介します。)今私の手元にKR先生の結構分厚い短歌集があります。今度の集いに持参する予定です。

 ご存知のように、私は今「検診」の仕事のみで、一般外来はやめていますが、先日駅前で開業しているY医院のK子先生が、私たちが贈った誕生日のお礼に、大きな梨を持ってきてくれました。その時の玄関先での立ち話によれば、「新型コロナがものすごく増えている。老人でSpO2(酸素飽和度)が92%未満の人は入院させなければならないのだが、今までなら保健所が入院先を探してくれていたのを、自分達で探さなければならない。どうにか見つけるまで、2時間もかかる。さらに朝5時ぐらいから、新型コロナの抗原検査をしてくれないかとの依頼の電話が入ってくる。娘はもうパニックになって、新型コロナの検査はすべて断るとまで言いはじめた……」とのことでした。
 確かに医療従事者ネットワークの医療関連ニュースでも、全国の定点報告でCOVID‐19の急増が取り沙汰されています。若い医師が相対的に多いネットワークですから、「風邪の蔓延」という認識が多く、5類への変更に文句をつける医師はほとんどいませんが、医療従事者が感染すれば、医療体制に影響を与えてしまいます。これから冬に向かえば、インフルエンザも問題になります。医療体制をどう維持するか、難しい問題は続いています。

つづく