[1389](寄稿)医療あれこれ(その94)ー1 ワクチン同側接種の効果

ペンギンドクターより
 その1
 皆様
 いよいよ10月に入り、ようやく朝晩の涼しさが老人の肌身に沁みるようになりました。年をとると、快適な外気温の許容範囲が狭くなって、苦労します。昔医師会の役員をしていた50代のころ、知力は70歳を契機に急速に低下すると、医事紛争における当事者の医師との面談で実感していましたが、私自身が70代になってみて、その法則は正しいと再認識しました。当時、体力は60歳を超えると低下と思ったのですが、顕著な衰退はやはり70歳だと思います。まもなく私は76歳になります。いかに乏しくなった体力と知力を維持するか、これからの私の日常生活に懸っていると自らに言い聞かせています。
 一昨日、9月29日13時に近所の開業医さんで7回目の新型コロナワクチン接種をしました。夕食後から左肩の筋注場所が痛みだし、何となく倦怠感が出てきて、その夜はテレビの録画を観る際の夫婦お互いの肩もみを省略しました。その夜は二度ほどトイレに行ったものの21時から翌朝6時まで9時間の睡眠をとりました。おかげで久し振りに朝のテレビ体操をパスしました。
 ワクチン関連でユニークな研究をひとつ紹介します
 ●コロナワクチン 同側接種で免疫応答増強 ドイツ前向き研究
 詳細は省きますが、2023年7月31日Bio Medicineオンライン版に報告されたもので、最初のワクチンを接種した腕と同じ側に2度目を接種した人と、2度目を反対側に接種した人を比較して免疫応答の強さを比較した報告です。
 同側145例(38.5歳±15歳 男80例)、反対側156例(40.4歳±15.3歳 男91例)での比較です。感染歴はありません。
 N蛋白、特異的IgGなどを比較しました。
 同側接種で免疫応答が増強した理由としては、初回投与時と同じ流入リンパ節を通過するので反応がいいのでは?ということのようです。私はいつも利き腕と反対の左側に接種していますから、結果的に選択は正しかったということになります。
 しかし、ともにワクチンの効果は十分あるようですから、どちらでも有効なのでしょうが、面白い研究だなと思いました。
 
 10月末にはインフルエンザワクチンをするつもりです。
つづく