[1390](寄稿)医療あれこれ(その94)ー2

ペンギンドクターより
その2
もう少し日常生活について。
 9月27日(水)は、2020年2月以来、約3年半ぶりに上京しました。地下鉄清澄白河駅の近くの東京都現代美術館で、デビッド・ホックニー展があったからです。私は知らなかったのですが、下の娘が久し振りにウイークデーに休みが取れたので、一緒に行こうと連絡があったのです。女房はその日、顔の左目そばの皮膚腫瘍の切除が予定されていたので、私一人で向かいました。JR久喜から東武線・地下鉄と相互乗り入れがあるので、一本で直行です。車内でマスクをしているのはほぼ半数という状況でした。展覧会自体は日曜美術館での放送直後ということもあり、込み合っていました。なかなか面白い画家だなというのが私のコメントです。先日BS日本の「ぶらぶら美術館」が13年余りの放送に幕を閉じて、夫婦二人残念な思いを禁じ得なかったのですが、これからはNHKの「日曜美術館」を録画するかと考えています。
 しかし、東京に出かけると、必然的に歩行数が増加します。その日は1万1000歩を超えました。おかげで右の股関節付近が痛くなりました。いわゆる「脊柱管狭窄症」の痛みではないのですが、二日ほど痛みが続き、ようやく昨日消失しました。やはり歩き過ぎも高齢者にはよくありません。私がこの5月から歩数のノルマを4000歩としたのは正解でした。ノルマですから、実際は5000歩から6000歩、歩くことが多いのが現実です。医療データ的には歩数では8000歩前後が最も寿命が伸びると言われています。しかし、3000歩以上ならそれなりの寿命延伸効果があるようです。これからも無理せずにウオーキングに努めます。
 
 久し振りに東京に出たので、展覧会の帰りは東京駅に出て、丸善により2冊新書を購入しました。現在、並行して読んでいます。橋爪大三郎『日本のカルトと自民党 政教分離を問い直す』、橋爪大三郎大澤真幸『おどろきのウクライナ』です。内容はここでは立ち入りませんが、この二人の社会学者にはずいぶん以前から注目しています。橋本は1948年生まれ、大澤は1958年生まれです。二人とも天才でもあり奇人とも言われた小室直樹の弟子筋です。混迷の時代である今、世界および日本の状況を把握するのに、私が最も信頼しているのは佐藤優(1960年生まれ)ですが、彼に続くのはこの二人です、橋爪は私と同世代ですから、これからは大澤真幸に期待しています。佐藤、橋爪はともにキリスト教徒です。何でも詳しい大澤も含めて、現在の世界を把握するには宗教を抜きにしては考えられません。私自身は「仏教徒」と言っていいでしょう。少しずつその方面の勉強もしています。この話はいずれまた。
つづく