[1433]武器輸出規制緩和を自公合意

 東京新聞が16日、一面トップで防衛装備品の輸出ルールの緩和を報じました。イスラエル軍のガザ攻撃が激しくなる中で、日本政府はその陰に隠れるかのように武器輸出の規制を事実上撤廃する方向に進んでいます。

 東京新聞はリードで「自民、公明両党は15日、外国企業に特許料を支払って日本で製造する武器の完成品『ライセンス(使用許可)生産品』に関し、当該国への輸出を容認する方向で大筋合意した。」と書いています。

 与党協議のなかで、輸出先から戦争国への武器流出を防止する策は示されず、米国経由でウクライナに武器が渡る可能性があり、そうなれば日本は戦争への加担をエスカレートすることになります。

「ライセンス元国に輸出することは軍事技術の拡散にはつながらない」?

 自公両党の複数の議員は、ライセンス元の外国企業から技術提供を受けているのだから当該国に輸出することは軍事技術の拡散にはつながらないと話しているといいます。しかし単に技術拡散ではなく日本産の武器完成品の輸出を認めるというのは大きな問題です。売った武器弾薬を相手国が何に使うか知ったことではないよということです。

 ヒトラー政権下ドイツのユダヤ人移送局長官アイヒマンを連想します。

 ホロコーストから生還した心理学者ブルーノ・ベッテルハイム)はアイヒマンについて言いました。(Wikipediaを参照)

「ボタンを押せと命じられればボタンを押し、そのボタンを正確に押すことだけに腐心してしまい、ボタンを押せば誰がどこで生命を失うかといったことは考えもしないという、まさしく陳腐な人間を体現していたのだ。」

 このままでは日本は武器を渡せば誰がどこで命を失うかということは考えもしない国になってしまいます。

 

 ところで、防衛省によると、日本が保有するアメリカからのライセンス生産品はF15戦闘機、輸送ヘリCH47、迎撃用地対空誘導弾パトリオットPAC3)、ロケット弾、りゅう弾などがあるといいます。

 このうち地対空誘導弾「改良ホーク」は、欧米からの供与を受けてウクライナ軍が使用しているそうです。

 危機に立つ日本の防衛産業を立て直すことをも意図して、ウクライナへの武器援助がなし崩しに進められようとしています。 

 6月に防衛産業への支援を強化するための「防衛装備品生産基盤強化法」に賛成した立憲民主党ほか維新、国民民主党を巻き込み戦争当事国に直接的供与することすらもが射程に入れられている可能性は高いと思います。

 岸田政権はいくら支持率が下がっても日本の軍事大国化の諸施策は平気で進めています。

なんとかして止めなければなりません。