[1471]兵器産業が産業構造に根づきつつある

 岸田政権は12月22日、武器輸出規制「防衛装備移転三原則」の見直しをおこない、米国へのパトリオットミサイルの輸出を可能にしました。敵基地攻撃能力の保持と武器輸出解禁の閣議決定は「戦後日本」の終わりを意味しています。けれども、日本の反戦運動は冷えこみ、いま裏金問題がメディアの前面に押しだされています。岸田政権はその問題の対応に大わらわになっている一方で、武器輸出問題は閣議国家安全保障会議NSC)でチャチャっと決めても世論は動かないとタカをくくっています。その通りにときが過ぎています。

 兵器産業はさらに活気づくでしょう。

 5年間の防衛費43兆円を見込み防衛産業が活性化しています。

 私はブログを書く時、防衛産業と書くか兵器(武器)産業と書くか。迷うときがあります。前者は国を守るための産業という考え方が入っています。戦争で使う目的でつくられた生産物が戦争の担い手に使われる時にそのものは兵器(武器)という規定を受けとります。

 戦争の相手から侵略戦争だと言われても当該の国は防衛戦争だと言います。これまでのどの戦争も国を防衛するためにという名目で行われました。侵略するために戦争するという国はありません。したがって防衛産業という言葉はその国の為政者が使う言葉と言っていいでしょう。

 こう考えると兵器産業ないし武器産業という言葉のほうが客観的な表現だと思います。

17日の朝日新聞は次のように報道しています。

5年間の政府予算1.5倍に

中小企業が6割超の防衛産業、増える投資

2023/12/17 

 2023年度から5年間の防衛費を約43兆円とこれまでの1・5倍超に増やす政府方針に賛否両論の意見が出るなか、関連する企業では投資を増やす動きが出始めた。政府は、中小メーカーが多い国内のサプライチェーンの維持にも乗り出している。

 以下省略

 アメリカのウクライナ支援が議会共和党の反対で滞っています。肩代わりも考えて日本政府はライセンス生産パトリオットや弾薬などをアメリカに輸出できるように規制を緩和しました。大転換です。こうなると憲法9条はあってないようなものです。

 ウクライナ、ガザ戦争は一超帝国アメリカの力の翳りを暴露しました。これから米ー中・露の抗争は形を変えて激化するでしょう。岸田政権は戦争の時代の流れに合わせ敵基地攻撃能力の保持と武器輸出を解禁することによって日本を軍事大国に飛躍させることにふみきりました。

 政府・経団連はこれから武器生産を産業構造にビルトインし原発とともに日本経済の基盤とするつもりだと思います。

労働組合は抵抗を❗