[1470]日本から米国へ迎撃ミサイル・パトリオット輸出解禁へ

 米議会はウクライナ支援の追加予算案の年内可決を断念しました。すでにウクライナ支援の予算は払底しており、ウクライナ向け以外に米軍が確保している弾薬、武器の在庫から出す案もあると言われていますが、対中東、対中国用に送るだけで精一杯のようです。米政府はウクライナ支援を含む総額1059億ドル(内ウクライナ支援分614億ドル)の予算案の承認を議会に迫っていますが、共和党の反対にあっています。

 そこで日本の出番というわけです。要するに米国経由で日本産(三菱重工ライセンス生産)のパトリオットミサイル(一発5億円)をウクライナに送るという案です。

 これは日本がウクライナ戦争に直接に加担することを意味します。

以下産経新聞が伝えています。

 

日本、パトリオット米国輸出でウクライナ側面支援 報道、米在庫を補充

12/20(水) 12:51配信

【ワシントン=渡辺浩生】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は19日、日本政府が準備する防衛装備移転三原則の改定によって日本がライセンス生産する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の米国輸出が可能となり、防空ミサイルの不足に悩むウクライナに対する米国の軍事支援が促進されるとの政府関係者の見解を報じた。

 米国のウクライナ支援は追加予算の議会承認が滞り財源枯渇も近い。日本の三原則改定が道を開くパトリオット輸出は米軍の在庫補充の役目を果たし、その分米国は、冬季に入り露軍の爆撃が激化するウクライナに高度な防空システムを供与できる「柔軟性」を確保できると期待しているという。

 同紙によると、バイデン大統領は今年8月にキャンプデービッド山荘で日米韓の首脳会談を開催した際、岸田文雄首相に対し、こうした要求を取り上げ、11月にサンフランシスコで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも話題にしたという。

 ウクライナでは露軍の爆撃から首都キーウなどの都市圏を西側が供与した防空システムで守っている。米国は米軍の在庫からウクライナに武器弾薬を供給しているが、在庫補充にあてる財源が年内に枯渇する見通しが高まっている。 同紙は、バイデン政権が同盟諸国による軍事支援に以前より増して依存していると指摘。

 日本の三原則改定は週内にも発表されるとし、パトリオットウクライナに直接輸出せず、日本は数十発のミサイルを米国に輸出し、米国のインド太平洋向けの在庫の補充にあてることが検討されていると報じた。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は今月、支援継続を訴えるためにワシントンを訪問した際、キーウを防衛する砲弾は「一握り」しか残っていないと窮状を訴えた。露軍が大量に発射する旧式ミサイルやイラン製の無人機を撃ち落とすため防空システムを消耗。露軍の狙いもそこにある。

 同紙は日本の三原則改定とパトリオット輸出解禁の背景として、ロシアのウクライナ侵略が中国の台湾侵攻を促す危険があるとし、ウクライナへの強固な支援国となったことを挙げつつ「日本は国際秩序への揺るぎない関与を示すため重大な変化を遂げている」との米高官の発言も伝えた。

以上

 22日に殺傷能力をもつ武器輸出が解禁されました。政府は内閣で「防衛装備移転三原則」改定し、NSCで運営指針改定とパットリオットのアメリカへの輸出を決定しました。

 いよいよ日本が帝国主義的な「国際秩序」の再構築に積極的に関与する時代に入りました。岸田政権は事実上の参戦となるパトリオット供与の深刻な意味を深く考えてはいないと思います。国際情勢が変わったからアメリカができないことは日本がやりますという、事務的な軽いノリで閣議決定し行動しているようにしか思えません。

まるで情勢データをインプットされたAIの答えのような感じがします。