[1509](寄稿)医療あれこれ(その101)ー1

ペンギンドクターより
その1
 
皆様いかがお暮しでしょうか。
 寒いですね。明日から少しあたたかくなるという情報もありますが、早く春が来てほしいと思います。パトロールで町内を歩いていても芽吹きが見られなくて張り合いがありません。確かに蝋梅(ロウバイ)は咲いていますし、梅(ウメ)もチラホラつぼみを開いています。ただ私は花が好きというより、木々や雑草の新芽が見られるようになると元気が出るのです。
さて本日はまとまりのない「よもやま話」をします。
 いつものことでもありますが。 昨年12月の半ばに20年ほど頑張っていたテレビが故障してしまいました。シャープの液晶テレビですが、画像が出なくなったのです。電気店では普通のテレビは大体10年の寿命だそうですから、褒められました。寿命というより、10年で買い替えるのが普通だということなのでしょう。3日間ほどはテレビのない生活で、久し振りに6時25分からのテレビ体操ではなく、6時30分からのラジオ体操となりました。娘親子はちょうど1週間健診で東京に帰っていたので、私たちだけでしたが、ラジオの有難みを再認識しました。以後、テレビ体操ではなくラジオ体操を続けています。
 運動と言えば、この体操と一日4000歩以上の歩行だけです。実際には5000-6000歩となり、帰宅後に入浴日の(火)(金)を除いて全身を温かな濡れタオルで拭きます。これが大変気分がいい。浴室のそばの更衣室兼洗面所でやるのですが、ヒートショック防止のため、温風が出て狭い室内を温められるようにしたので、スムースに着替えができます。
 
11月23日に生まれた孫の沐浴もこの洗面所で施行できて、ここのヒートショック対応は正解でした。また、居間にあるテレビの音量を高くすると、食卓とテレビの間に寝ているチビの目を覚ますといけないので、当初は音声なしでした。文字が出るのですが、どうも調子が出ない、すると女房と娘が二人で買い物に行った時に、持ち運びのできるスピーカーを買ってきてくれました。そのスピーカーを私のそばに置いておけば、テレビは消音でも私のそばでテレビが喋ってくれます。いろいろあるのですね。これもまた耳の遠い高齢者用でよく売れるのかもしれません。
 コロナで巣ごもり生活をしていて、私の毎朝の日課は、NHKを中心としたデジタルとBS放送の録画予約です。菅内閣のブレーン(?)でしたが、コロナは「さざ波」云々発言でクビになった高橋洋一氏の「NHKEテレ」の電波無用論に反発して、私はEテレ番組も注意するようになりました。するとなかなかいい番組があります。全局通じてドラマに興味はないのですが、最近はサイエンス関係、社会・経済問題に重点を置いています。もちろん旅番組・料理番組・医療番組などは私たち夫婦の定番です。最近はNHKを中心とした医療番組(ドラマではありません)もレベルが高く、私も興味深く拝見しています。
 たとえば、ひと月ほど前だったか、Eテレの「CHOICE(チョイス)」では大腸がんの化学療法の有効性をわかりやすく放送していました。特殊なタイプではありますが、手術不能の大腸がんが化学療法で完全緩解を得た例も放映していました。とにかく、録画に目を通すだけでも大変です。昼食時・夕食時・午後8時近くから9時までの肩もみタイムの1日2-3回たまったテレビ録画を片づけていくのですが、時間の割り振りが大変です。その時の二人の体調で、今日は気楽な「新日本紀行」「新日本風土記」にしようとか、前に見たけど、わすれちゃったから「ヒューマニエンス」にしようとか……とにかく二人とも3か月前に見た番組を半分ぐらいになって「前に見たことある」と思い出すのですから。 
 今年の年賀状に「まことに勝手ながら今年で年始のご挨拶を終りにします」と書いたせいか、年明け少し遅れての年賀状で、近況を詳しく伝えてくるものがありました。そのなかの一部を紹介します。昨年11月だったか大学の同級生の会(私は不参加)で、参加予定だったのが、「ガンの手術後間もない」ということで不参加になったI君のがんは「耳下腺ガン」でした。手術後さらに陽子線治療をしたとのこと。現在顔面神経マヒが残っていると書いてありました。
 「耳下腺」は文字通り耳の下の唾液腺です。いわゆる「おたふくかぜ」は耳下腺炎です。耳下腺はそのそばを顔面神経が通っています。顔面神経は大体4つに分かれて麻痺すると厄介です。ガンが相手なので神経の一部を切除せざるを得なかったのかもしれません。あるいは切除するのを躊躇して追加に陽子線治療を加えることになったのかもしれません。耳下腺は皮下にありますから、ガンなら触れば通常硬い腫瘤として触れます。I君は小児科なので、耳下腺ガンの経験は少ないでしょうが、耳下腺には病理学的にいろいろなタイプの腫瘍が発生します。顔という目立つところですから、術後の苦労が大変と言えるでしょう。
つづく