[70]香港、不屈の1万人デモ

香港、逮捕、弾圧に抗して

 香港の人たちの半数を超える反対の声があったにもかかわらず、6月30日中国政府は国家安全維持法を成立させ、7月1日香港行政府はこの法を香港基本法にくみ込みました。香港版治安維持法の制定です。

 7月1日早暁、労働者、学生をはじめとする1万人の香港民衆がデモで法施行に反対の声を上げました。参加者は逮捕されることを覚悟して香港行政府と中国政府にたいして法施行反対の意志を示しました。この闘いに集まったたたかう香港民衆の勇気に、私は胸が熱くなりました。逮捕者300人、国家安全法違反容疑が9人と報じられています。

 いわゆる「民主派」と呼ばれるグループ、組織は強権的弾圧に抗して非公然の闘いに移りました。6月30日のデモシスト・リーダー周庭さんの悲痛な声明は、私たちの心の中にしみとおりました。

資本制生産様式が支配的に行われる現代中国は、今や資本家階級の利害を体現している転向スターリン主義習近平をトップにいたただく中国「共産」党が官僚専制支配しています。この中国政府は、香港の労働者階級が昨年逃亡犯条例に反対して数十万のデモを行ったことを、行政府を媒介にして香港を支配していた自らの足元が揺らいできたとうけとめたのです。
中国政府はコロナ危機下、経済危機が続く中国で犠牲の転嫁に抗する労働者階級の闘いが燃え上がることを恐れています。香港の闘いの息吹が中国労働者階級、学生に希望を与えることを恐怖しているのです。

闘いのかたちは変わってくると思います。香港の労働者、学生は考えているのです。習近平の中国もわかっていると思います。

これからの香港の闘いに日本の労働組合学生自治会、市民団体はいかに応えるか、私たちは問われていると思います。