[73]香港、闘いの封殺

7月3日のロイター通信は香港の国家安全維持法で初の起訴を報じています。


香港、国安法違反で初の起訴 「光復・革命」の旗所持

7/4(土) 1:08配信 ロイター


香港当局は3日、市内で1日に行われた抗議活動の最中、警官隊にバイクで突っ込んでけがを負わせた男性(23)を国家安全維持法(国安法)違反の罪で起訴した。国安法による起訴は初めて。

男性は「光復香港、時代革命(香港を取り戻せ、革命の時だ)」という標語が書かれた旗を所持しており、国安法の国家分裂とテロ活動の罪が適用された。

この標語はデモ行進の際の掛け声やプラカードで使用されたり、衣服やアクセサリーにプリントされたりするほか、付箋に書いたものが街中の壁に貼られている。香港政府は3日、標語には分離主義や政権転覆の意味があるとし、国安法により犯罪に当たるとの見解を示した。

以上ロイター

 

ついに香港行政府(=中国政府)は新法にもとづく反対運動の弾圧をはじめました。香港政府は、香港を取り戻せ、革命の時だ、というスローガンは「香港の独立」や「政権転覆」という意図が含まれるものだと警告しています。

香港政府は3日、国安法にもとづいて「国家安全維持委員会」を設置したことを明らかにしました。同じ日、中国政府は「国家安全維持公署」の幹部人事を発表して治安弾圧体制を確立したことを誇示しています。

 また、6月30日に中国陸海空軍による軍事演習を香港周辺で行い、1日には中国人民解放軍註香港部隊が、国家安全維持法を「断乎支持する」と発表しました。

 習近平の中国は万全の体制をとって香港の闘いを封じ込めることを内外に宣言しました。それは同時に習近平が香港の労働者、学生の組織的闘いに恐怖していることを物語っているのではないでしょうか。スターリン主義を放棄し資本家的官僚の党に転態した中国共産党は、反対運動を弾圧する場合にはスターリン主義であった頃の方法を駆使するのです。

 革命家トロツキーは『裏切られた革命』でスターリンの粛清を次のように言った。

「党とソヴェト組織のたえまない粛清は大衆の不満があからさまな政治的表現をとるのを阻止することをねらったものである。しかし思想は弾圧によって殺されはしない、地下に追いこまれるだけである。広範な層の共産党員や非党員が公式の思想体系と秘密の思想体系との両方をもっている。捜査と密告が社会的諸関係を完全にむしばんでいる。」