◆◆◆肺炎でも医療機関に入れない
コバヤシイッチャッタ 作
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訪問診療をしている医師の話が報道されていました。
高齢になり、寝たきりで「訪問診療」を受けていた患者さんが、今年四月下旬に、「肺炎」らしき症状がでましたが、引き受けてくれる病院がありませんでした。
10軒くらいの病院と掛け合ったがダメでした。
コロナが猛威をふるっていた時期でした。
PCR検査陰性でも1度の陰性では、受け入れてもらえず、2回目の検査が陰性でやっと受け入れてもらえました。
この時期、このような例が全国で相次ぎ、日本医師会の在宅診療医ら有識者有志は、「地域包括ケアの根幹を揺るがしかねない」として、受け入れの円滑化対策などを国に求めました。
国は医療費を抑制するため、団塊の世代が75歳以上になる2025年までに病院の病床数を大幅に削減する方針です。これに合わせて、住み慣れた地域や在宅で医療・介護を提供する「地域包括ケアシステム」を推進しています。
このシステムを利用する人は増加してきましたが、現場の医師は「国主導で増やしたが、在宅ケアの課題は放置されたまま」と語っています。
全国的にコロナの感染が拡大した4月は、通所介護施設や短期宿泊など全国858事業所が休業しました。自宅で認知症の母親を介護する女性は、通所施設から利用を「控えて」と求められました。母親は転びやすく、外に出たがるため、いっときも目が離せなくなりました。通所の機会が無くなると、昼夜の逆転が生じ、夜中に出歩き始め、粗暴にもなりました。
「もう限界」とケアマネージャーに相談したが、感染を警戒して受け入れてくれる施設は見つかりませんでした。
母親を見守っている女性は、心配で夜も眠れなくなり、精神科で睡眠薬をもらうようになりました。心も体もボロボロになった女性は、「国は『住み慣れた地域でいつまでも』ときれい事を言いながら、最後は結局、家族任せなんだと思い知らされた」とつぶやいたといいます。
読者の皆様、この現実をどのようにお考えになりますか。
批評禍 石川木鐸(ぼくたく)