[413](投稿)泊原発、「活断層の可能性低い」<規制委>

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① 泊「活断層可能性は低い」規制委、北電の主張了承

 原子力規制委員会は12日、北海道電力泊原発(後志管内泊村)が新規制基準に適合しているかを判断する審査会合を開き、最大の焦点となっていた原発敷地内「F-1断層」について、活断層である可能性は低いとする見解を示した。北電の主張は事実上了承され、再稼働に向けた安全性審査は前進する見込みとなった。
 ただ津波や火山などの多くの審査項目が残されており、北電が目指す早期再開の実現は見通せない。
 北電は、F-1断層と連動してできた「小断層」の上にある地層の年代が「33万年前よりも古い」として、F-1断層は「活断層ではない」と主張。規制委の石渡明委員は「(小断層の上の地層は)12万~13万年前よりも古い地層である可能性が高い」と述べ、北電の主張を大筋で認めた。
 規制委は、この見解を補強するための追加データも北電に求めた。次回の審査会合でF-1断層について最終的に判断する。
 新規基準では、12万~13万年前より新しい時代に活動した断層を、地震を起こす可能性のある「活断層」と定義。活断層なら、追加の耐震工事が必要となり、財務状況が厳しい北電にとって再稼働は困難になるとみられていた。審査会合後、北電広報部は「必要なデーターを拡充し真摯(しんし)に対応していきたい」と述べた。北電は2019年2月に規制委から「F-1断層が活断層であることを否定できない」と指摘され、同春から開削調査を実施してきた。
 東京電力福島第1原発事故後、泊原発は12年5月までに全3基を停止。13年7月に安全審査が始まったが、F-1断層などの審査が滞り、7年半以上膠着(こうちゃく)状態となっている。今後、津波の評価や対策、火山活動などの審査に臨む。(佐々木馨斗、土屋航)

② (論説) 泊再稼働審査 断層以外も課題は多い

 北海道電力泊原発再稼働審査で原子力規制委員会はきのう、焦点だった敷地内断層について「活断層ではない」という北電の主張を事実上了承する方向を示した。
 ただ、この日の会合では、データが不足しているとして追加提出を求め、最終判断を先送りした。7年半も続く審査長期化の中、北電にとっては一歩前進する形だろう。
 だが、義務づけられたテロ対策施設新設も含め安全面で解決すべき課題はなお多く、展望が開けるわけではない。断層に関しても現地調査で何度も問題点を指摘されながら、対応が遅れてきた。泊原発関連の不祥事も多く、北電の適格性にも疑問符がついたままだ。
 原子力と老朽火力に偏った電源構成のままでは道民は将来的に心もとない。再生可能エネルギーの主力化に軸足を移し、脱原発の道筋も探るよう求めたい。
 問題となったのは敷地内の「F―1断層」だ。2年前に規制委が「活断層であることを否定できない」と見解を示し審査が続いた。
 福島原発事故後に定めた新規制基準では、12万~13万年前よりも新しく活動した断層を活断層とみなし、原子炉など重要施設が真上にあれば再稼働できない。
 F―1は重要施設の直下を通っていないが、活断層と認定されれば耐震設計を抜本的に見直さねばならず、膨大な追加費用が経営基盤を揺るがすのは必至だった。
 きのうの会合で規制委は、F―1より上部の地層が「33万年前よりも古い」などとする北電の主張に対し「総合して可能性が高くなってきた」と位置づけた。次回会合で正式判断する見通しだ。 

とはいえ課題はなお多い。積丹半島北西沖の活断層を想定した地震津波、火山活動などの評価は短期間で終わりそうにない。
 泊を巡っては、非常用発電機の不具合が放置されていたり、大気中に放出する気体状の放射性廃棄物の量を31年間過少報告したりする不祥事が明らかになっている。
 新規制基準では、航空機を衝突させるテロ攻撃を受けても、遠隔操作で原子炉に冷却水を注ぎ込んで制御することなどを求める。北電が運用できるのか不安は募る。
 原発運転期間は原則40年で1、2号機は約10年以内に期限切れとなる。北電は再稼働前に延長方針を表明したが、性急に過ぎる。
 原発に傾斜する経営姿勢は、福島事故に真摯(しんし)に向き合う気があるのかすら疑う。立ち止まり電源構成分散の検討に入るべきだ。(①②とも北海道新聞、2021・2・13より引用)

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント

 北海道後志(しりべし)管内泊(とまり)村にある「北海道電力泊原発」の断層が、一応、「活断層である可能性は低い」とされましたが、まだ、規制委はこれに加えて追加のデーターも求めている。今後も津波の評価や対策、火山活動などの審査も残っています。
 さらに、「義務づけられたテロ対策施設新設も含め安全面で解決すべき課題はなお多く、展望が開けるわけではない。断層に関しても現地調査で何度も問題点を指摘されながら、対応が遅れてきた。泊原発関連の不祥事も多く、北電の適格性にも疑問符がついたまま」であり、「積丹半島北西沖の活断層を想定した地震津波、火山活動などの評価は短期間で終わりそうにない」とされ、「泊を巡っては、非常用発電機の不具合が放置されていたり、大気中に放出する気体状の放射性廃棄物の量を31年間過少報告したりする不祥事が明らかになって」いることも重大問題です。さらに「新規制基準では、航空機を衝突させるテロ攻撃を受けても、遠隔操作で原子炉に冷却水を注ぎ込んで制御することなどを求める。北電が運用できるのか不安は募る」と北電の「技術力」や「統治能力」等々も疑問視されています。

 福島第一原発事故以来、いくつかの原発の再稼働を規制委は認めてきていますが、各原発は耐用年数40年と言われる時期に近く、稼働中に「自己崩壊」していく原発も出てくる可能性があると考えます。しかも、ウランよりも危険なMOX燃料で稼働させている原発もあり、本当に「安全性の確保」はできるのかと疑わずにはいられません。
 いかなる原発も廃止していくことが大事なことだと思います。さすれば、核のごみ=高レベル放射廃棄物の増産も停止されます。核のごみは増えれば増えるほど、わたくしたちが住むところが狭まっていくだけだと思います。
 そうならないように、原発の稼働と再稼働中止の声を上げていきましょう!!第2、第3の福島第一原発の事故を発生させないようにしていきましょう!!

 読者の皆様はどのようにお考えになりますでしょうか!?