＜政官ウオッチ＞「アンダー・コントロール」
昨年９月、福島第１原発を訪れた。目を引いたのは敷地内に所狭しと置かれたタンク群だ。中身は浄化途中の汚染水や、放射性物質を一定程度除去した「処理水」。担当者から、２０２２年後半にもすべてのタンクがいっぱいになると聞き、あの演説を思い出した。
「フクシマに懸念を抱く人もいるだろう。状況は『アンダー・コントロール（管理下）』だと保証する」。２０１３年９月、アルゼンチンでの安倍晋三首相（当時）の東京五輪・パラリンピック招致演説だ。当時は原発事故発生から２年半。汚染水などの処理問題は招致の焦点の一つだった。安倍氏の「保証」は東京の選定を後押しした一方で、「誘致のための方便だ」との批判も広がった。
結局、演説から７年以上が経過した今も、処理水の処分方針は定まっていない。先日、福島を訪れた菅義偉首相は、「いつまでも先送りはすべきではない。適切な時期に処分方針を決定したい」と語った。
新型コロナウイルス感染拡大で１年延期された五輪は、約４カ月後に迫る。首相は先月、先進７カ国（Ｇ７）首脳会議で「（新型）コロナとの戦いに打ち勝った証し」として五輪実施を目指すと訴えた。変異株の懸念も増す中、本当に「打ち勝つ」ことができるのか。今度は「方便」との批判を受けない結果を期待したい。（広田孝明）
（2021・3・11北海道新聞デジタル）
■■■ 武田心玄のコメント
ずっと気になっていた言葉の一つが、ここに書かれている安倍が言った「アンダー・コントロール（管理下）」、すなわち、福島第１原発は、自分たちの・安倍政権下のもとで、「安全・安心」の状態にありますという「無知蒙昧と傲慢の固まりの発言」です。▼まだまだデブリがあり、それに近づくことさえできない状態です。米国の原子力規制委員会のヤッコ氏は、メルトダウンではなく、１号機と２号機は「メルトスルー」していると発言しています。日本の原子力規制委員会は、政府の目的を達成するのに、国民に分からないようなスピードで、地層を調べたり、テロ対策をさせたり、防災を強化するようにと指示を小出しにしながら、停止させていた各所の原発を再開させています。しかも、危険なMOX燃料をも使わせる古い原発も意図的に使い、プルトニウムの消費に努めています。しかし、使用している原発はそもそもMOX燃料を使えるような構造物ではありません。「アンダー・コントルール」どころか、第２、第３の福島原発事故を起こす可能性が高いと思います。▼汚染水の問題も解決されていません。解決できないでしょう。どんどん汚染水が蓄積していくだけです。▼「首相は先月、先進７カ国（Ｇ７）首脳会議で「（新型）コロナとの戦いに打ち勝った証し」として五輪実施を目指すと訴えた」ということですが、現状では、新型コロナの抑え込みには失敗しており、開催は到底無理だと思います。ワクチンは五輪開催には到底間に合いません。国民の７０～８０％がワクチンを打たないと「集団免疫」ができないので、１年半～２年は時間を要するのではないでしょうか？しかも、変異ウイルスの流行が始まっています。「感染速度が速いのではないか」と言われています。そうすると、感染者は増加していくことになります。強毒か？どうかはいまのところ分からないようですが、いずれ分かると思います。▼読者の皆様は、安倍の発言した「アンダー・コントロール」をどうおもわれるでしょうか！？
◆◆◆ 原発の管理下にあるアベチャンです
◆◆◆ ワクチンはまだ先のこと期待せず
■■■ 祭りごと祭り騒ぎは後の祭りあてにしないで待つことにす
綸言（りんげん）汗のごとし 作
