[641](投稿)反省の乏しい退陣会見

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菅首相退陣会見 コロナ対策反省乏しい
09/10 08:54 更新
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 菅義偉首相が退陣の意向を表明後、初めて記者会見に臨んだ。▼北海道などに発令中の緊急事態宣言を、今月末まで延長することを決定したのに合わせて行った。▼就任以来、「コロナとの闘いに明け暮れた日々」だったとした上で、医療体制が確保できなかったことを反省点に挙げた。▼ただ1年かかってもなぜ解決できないのか、どういう対策が必要なのか、具体的言及はなかった。▼これでは新政権への教訓として生かされまい。▼他方、デジタル庁設置や携帯電話料金の引き下げなどを業績として列挙した。政権のコロナ対策が不十分なために国民の苦しみが長引いていることを、どこまで理解しているのか。▼最後までコロナ対策の反省と検証が乏しいと言わざるを得ない。▼驚くのは、医療体制の逼迫(ひっぱく)が続いているとの認識を示したにもかかわらず、ワクチン接種が行き渡る11月ごろに宣言下でも行動制限を緩和する方針を決めたことだ。▼接種や検査の陰性証明があれば、県をまたぐ旅行や大規模イベント、飲食店の酒類提供を認める。▼新規感染者数は減少傾向にあるが、重症者数は高止まりしたままだ。入院先がない自宅療養者は10万人を超える。感染抑止が必要な今、緊張感を緩める誤ったメッセージになる恐れがあろう。▼首相は「社会経済活動の正常化の道筋を示していきたい」と強調したが、発表の時期を含めて適切な対応か、疑問が残る。▼行動制限の緩和は観光業者や飲食店の苦境が伝えられる中、与党が強く求めていた。衆院解散・総選挙を見据えた対応だとすれば、国民の命と健康を軽視した党利党略と言われても仕方ない。▼今回、政府は宣言解除の基準を見直した。これまでより医療体制への負荷を重視したというが、多くは数値基準がなく、恣意(しい)的な決定がなされる懸念が拭えない。▼延長の期限を首相の任期中の今月末までとしたことも、科学的知見に基づいているのか不明だ。▼急ぐべきは若年層のワクチン接種や感染抑止策の強化、全国的な病床の拡充である。▼首相はコロナ対策への専念を自民党総裁選不出馬の理由に挙げた。それならば、野党の要求に応じて直ちに臨時国会を開くべきだ。国民の前で議論し、幅広い知見を結集することが欠かせない。▼新政権が誕生するまで1カ月近くある。空白の時間をつくってはならない。(2021/9/10 北海道道新聞 「社説」より)

●●●竹中半兵衛のコメント
 菅首相の今回の会見も見るべきものがないというのが「社説」の筆者の見解です。新型コロナ対策の欠陥は何だったかを語らない首相と指摘し、また、「驚くのは、医療体制の逼迫(ひっぱく)が続いているとの認識を示したにもかかわらず、ワクチン接種が行き渡る11月ごろに宣言下でも行動制限を緩和する方針を決めたことだ」と急所を突いています。いつもの「アクセルとブレーキを同時に踏む」発言です(昨日の会見で「Go To トラブル」の反省もなく、10月から11月に向けて制限を緩和し、飲食や旅行など社会経済活動正常化の道筋をつけるという趣旨の発言をしました)。コロナ対策の失敗から何を学んだのでしょうか?そもそも「失敗」だとの自覚もないのでしょうね。この先の「衆議院選挙」において、「自身と自民党が敗北しないように」との思惑しか見られない会見です。狭量で貧困な「総理」との印象しか与えないでしょうね。
●まだまだこの先が長く険しいコロナとの戦いが待っているというのに、内容のない退陣の会見です。首相を引き継ぐ人物は、物量・国家予算を惜しまず、コロナ対策に全力量を傾注してほしいものです。「野戦病院」とそれを支える「医療従事者の確保」しかり、「新しい抗体注射薬」も用い、未だ不足している「PCR検査」数を増やすこととその無料化、子育てもし同時に仕事もしなければならない労働者に対する援助はどうあるべきかなど課題山積に対応できる体制と資金投入等々も必要です。これらを、後手に回らずに行う必要があると思います。

 ◆多くの労働者学生諸子は、政府の心もとないこれまでの「諸政策」に批判の刃を向けながら、自分自身でコロナ対策はどうあるべきかを共に考えていきませんか!!