[825](寄稿)ロシア•ウクライナ戦争

ペンギンドクターより
その2

さて、ロシア・ウクライナ戦争です。
 私は1979年に西ドイツに滞在していました。住まいは西ドイツの南西スイス・フランスに近い都市のカトリック修道院が運営する学生寮でした。7月から9月までの予定でしたが、修道院長が「ずっといていい、奥さんが来たら広い部屋を用意する」とのことで、結局1年半そこで暮らしました。三食ついて一人月に400マルク日本円で4万円、夫婦二人で7万円余りで、助かりました。自分の話はここまでで、当時のソ連に対する人々の感情を述べます。
 1978年にポーランド出身のヨハネパウロ2世がローマ教皇に就任して8か月後に故国ポーランドに帰国したときの熱狂的な雰囲気を覚えています。ヨハネパウロ2世は開明的な教皇で「空飛ぶ教皇」とか言われ、世界中を訪問しました。彼のポーランド帰国で、ワレサの「連帯」の活動がさらに活発になり、時代は大きく変化し始めていました。
 それでも、西ドイツの人々は、地続きのソ連に対して「恐怖感」は持ち続けていました。特に高齢者はそうでした。ハンガリー動乱はやや古くなっていましたが、「プラハの春」は1968年であり、すぐ記憶によみがえった事件でした。
 ドイツの北にはプロテスタントが多いのですが、ドイツの南側はカトリックが多く、ポーランドカトリックです。滞在していた都市の人々はもちろんポーランドびいきで、「ポーランド人は強い、ソ連の戦車が来ても負けない」と話していました。
 しかし、ポーランドは第二次大戦でドイツとソ連に分割された国であり、将来の国を担う有能なポーランド将校をソ連が4000人だったか虐殺した「カチンの森事件」もあります。戦後もソ連ナチス・ドイツの仕業だと隠蔽していましたが。

 要するに地続きである西ヨーロッパ、今は中欧・東欧の国々にとってソ連今ならロシアはまさにすぐ隣の国なのです。今回のロシアのウクライナ侵攻に対して、ドイツが国防費を一気に年間12兆円増加させると発表したのは、当然でしょう。フランスもそれ以外の国の兵器調達は当然うなぎ上りになるはずです。
 確かに第二次大戦でソ連の犠牲者は世界で最も多く、確か2000万人以上だったと思います。ソ連なくしてナチス・ドイツに勝利できたか疑問だとも読みました。またナチス・ドイツソ連に攻め込んだとき、ウクライナの極右がそれを利用してロシアを攻略したとも聞いています。それはそれとしてです。

 1929年の大恐慌からアメリカが真に回復できたのは、ルーズベルト大統領のニューディール政策ではなく、第二次大戦の参戦だったというのも今の常識です。戦争は景気を回復させます。
 しかし、もうそういう議論は通用しません。なぜなら、地球は病んでいます。
 今回のプーチンウクライナ侵攻により、各国の軍事予算は増大するでしょう。もはや「SDGs」どころではなく、地球の自然は破壊され、温暖化は加速し、いよいよ人類滅亡に近づいているというのが、私が最近考えるいや感情的に落ち込んできている原因です。
 以下の転送する医師の文章は東欧の人々の気持ちをよく伝えていると思います。
 では.急いだので誤字などがあるかもしれません。すみません。

つづく

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