[1317]今の世相

 昨日の朝日新聞の1面は「半導体『包囲網』に参加 製造装置の輸出規制 米に呼応」とあります。

 中国にたいして米日が尖ってきました。国家関係をこういう表現で表す時代になってきました。余裕がない、追い詰められた感じがします。中国もやり返すでしょう。

 ヨーロッパではインフレがつづき生活危機が深まるなかで極右が台頭し、移民にたいする排外主義が各国を覆っています。

 ロシア軍のウクライナへの越境侵攻を出発点として、米が主導するNATOが介入したウクライナ戦争は、両国の兵士、労働者民衆の多くの犠牲を背後に残し1年半になります。ゼレンスキー政権はクリミア半島のロシア軍弾薬庫にたいする7月17日、19日のドローン攻撃を戦果として発表しました。ゼレンスキー政権は戦果を宣伝しなければ足許が危うくなっているのかもしれません。

 日本の岸田政権は軍事大国化の道に踏み出しました。「ていねいな説明」など一度もありません。

 いま政府は福島第一原発の燃料デブリの熱を冷ました汚染水をALPS処理し、トリチウムを残した水を海洋放出しようとしています。薄めてもトリチウムの絶対量は変わりません。燃料デブリに触れた汚染水は7月4日時点で1日に90トン(NHKニュースウェブ)出ています。

 食物連鎖を通じて濃縮されたトリチウムは細胞の通常の水素と入れ替わり放射線を染色体に放射しつづけます。必然的に晩発性障害が起きます。しかし、政府は安全だと言い張って放出しようとしています。

 今だけよければいい、後は野となれ山となれ、という風潮が色濃くなっています。

 ともかく第二次世界大戦後78年、現代資本主義世界は歴史的危機に直面しています。