パレスチナ戦争、ウクライナ戦争のニュースが毎日死者数何千人と伝えています。明日も増えるでしょう。そのことがわかっていても戦争を止めることができません。
戦争当事国であるイスラエルは自国のことしか考えていません。パレスチナ民衆の中にいるハマスは、パレスチナ人生存のための生活基盤が危機的事態になっており、勝ち目がない中やむをえざる悲痛な武力闘争をしています。ロシアとウクライナの戦争は、力が翳りはじめて久しいアメリカのウクライナへの武器援助を媒介とした事実上の参戦によって終わりの見えない戦争になっています。
ソ連邦の自己崩壊以後、資本制生産様式が世界中で行われるようになって30数年、存在論的に言うならばその体制に内在する階級的矛盾は国家間の対立のみならず、貧窮化したり難民化した民衆の中に必然的に生まれたイスラム武装組織と資本主義大国との非対称的戦争として爆発しています。
次の文は約10日前に書いたものです。
7日のハマスのイスラエルにたいする越境攻撃をきっかけとして中東ー全世界は激震しています。サウジとイスラエルの国交正常化を仲介していたアメリカの戦略的目算は絶たれました。アメリカはイスラエル支持を明確にすることによってアラブ•イスラエル宥和のパフォーマンスは破綻しました。
読売新聞は次にように報道しています。
サウジ、イスラエルとの国交正常化交渉を凍結…ガザ衝突で困難と判断か 2023/10/14 21:14 【カイロ=西田道成】
ロイター通信は13日、サウジアラビアが米国が仲介するイスラエルとの国交アラビアとい正常化交渉を凍結していると伝えた。サウジ政府の事情に詳しい2人の情報筋の話として報じた。イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマスの衝突を受け、サウジがイスラエルとの国交回復は当面の間、困難になったと判断した可能性がある。
情報筋の一人は「協議は今のところ継続できず、再開する場合はパレスチナに対するイスラエルの譲歩を大きな優先事項とする必要がある」と指摘したという。
サウジの実権を握るムハンマド・ビン・サルマン皇太子は9月、交渉の妥結は「近づいている」との認識を示す一方で、パレスチナ問題を解決する必要性を強調していた。皇太子は今月10日、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長と電話で会談し、パレスチナを支える立場を表明していた。
以上
病院の爆破事件にたいするアラブ諸国の抗議デモは、イスラエル•アメリカのイスラム聖戦犯行説というプロパガンダが流布される中で火に油を注ぐように燃え広がっています。
10月14日記
今日は25日です。
病院爆破の事件は、その後のイスラエルによる空爆の激化によってその犠牲者を凌ぐ被害が生みだされ、メデイア上では硝煙の彼方に後景化させられました。
イスラエル軍は空爆によってガザ地区北側半分を更地にしてハマス掃討の地上戦に入るつもりです。
イスラエル政府とその翼賛者はハマスを自分たちが生みだしたとは思っていません。同じことをくり返すことになるのですが、イスラエル民衆はそれをわかっていて政府を支えるのでしょうか。