[1763]米港湾スト、賃上げ60%で妥結へ

 アメリカの港湾労働者45000人の賃上げストライキ闘争は1日から3日までうちぬかれ、3日の労使交渉で妥結しました。

 経営者側は当初50%アップを提示しましたが組合は受け入れずストライキに突入しました。

 

米港湾スト即時終了へ、労使が賃上げ暫定合意 6年で6割アップ

2024年10月4日ロイター


米港湾スト終了へ、労働協約で労組と使用者団体が暫定合意
 米港湾労働者約4万5000人を抱える国際港湾労働者協会(ILA)と使用者団体の米海運連合(USMX)は10月3日、労働協約で暫定合意に達したと発表した。

 米港湾労働者約4万5000人を抱える国際港湾労働者協会(ILA)と使用者団体の米海運連合(USMX)は3日、賃上げについて暫定合意に達したと発表した。 

 3日目に突入していた米東海岸とメキシコ湾岸でのストライキを直ちに終了する。
事情に詳しい関係者によると、暫定合意は6年間で60%余りの賃上げを行う内容。これにより、契約期間中の平均賃金は時給39ドルから約63ドルに上がるという。
ILA側は77%の賃金アップを求め、USMXは50%近く引き上げる案を示していた。
 双方は声明で、全ての未解決の問題について交渉するため、基本協約を2025年1月15日まで延長すると述べた。
 未解決の主要な問題には、労働者が雇用喪失につながると主張する自動化などが含まれる。
 声明は「現在の全ての争議行為を直ちに停止し、基本協約でカバーされる全ての作業を再開する」とした。
 労組側を支持していたバイデン政権は、合意のため賃上げ額を引き上げるよう使用者に圧力をかけ、新型コロナ禍以降の海運業界の好調な利益に言及していた。

 バイデン氏は3日、暫定合意は「強固な契約に向けた大きな前進だ」と評価した。
ILAは1日、交渉決裂を受けて港湾労働者約4万5000人によるストを開始。1977年以来の大規模なストになっていた。
 エバーストリーム・アナリティクスによると、2日時点でストの影響で滞船するコンテナ船は少なくとも45隻に上っていた。ストはニューヨーク、ボルティモア、ヒューストンなど、さまざまなコンテナ貨物を取り扱う36の港に影響を及ぼした。

以上

 アメリカは原油価格が高騰し物価値上げが続いています。2000年と比べて実質所得は低い水準にとどまっているにかかわらず、ガソリンが2·9倍、電気料金が1·7倍、食料品が1·5倍に上昇しています。(10月13日東洋経済オンライン参照)

 その間にサブプライム危機を挟んでおり、低所得層向けの住宅ローン債権のバブルによって物価値上げの生活への悪影響が隠蔽されていましたが、バブル崩壊リーマンショックという金融恐慌を経て労働者階級庶民の生活を直撃するにいたりました。

 2008年リーマン・ショックの後、格差は世界で最悪の水準となり増大した貧困層は2016年大統領選でトランプに生活再建の夢を託したのでした。

 その後も物価高は続き、生活は苦しくなる一方です。

 アメリカの港湾労働者のストライキを日本の地で聞いた私は、実質賃金が下がり続けている日本の労働者としてあの行動力を見習うべきだと思いました。

 連合の指導者が政労使会議で賃上げをお願いするだけではどうにもならないと思います。

 アメリカの港湾労働者は暫定合意はしましたが基本協約の締結は2025年1月15日までに伸ばしそれまで懸案を解決するための交渉を続けます。労働者が雇用喪失につながると主張する自動化に関して未解決だからです。資本家の合理化攻撃に闘いを続ける姿勢に見習わなければならないと思います。