[121](投稿)科学と原爆

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 北海道新聞の電子版の「75年目の広島原爆忌」に書かれた「卓上四季」の記事に感銘を覚えましたので、全文引用させていただきます。

科学と原爆
08/06 05:00

「彼が描いた理想の実現のため一層の熱意を持って取り組むことは私たちの責務です」。湯川秀樹博士が哲学者ラッセルに宛てた1955年4月19日付の書簡だ。彼とは、その前日に亡くなったアインシュタインである▼国は違えど、ともに科学の軍事利用を悔いた。原子核分裂の基礎理論や研究に携わった者として自責の念もあったろう。核兵器根絶と科学の平和利用を訴えたラッセル・アインシュタイン宣言は同年7月、呼び掛けに応じた湯川博士を含むノーベル賞受賞者らの連名で発表された▼先の大戦では新兵器開発などを目的に科学者の総動員が行われた。純粋な探究心や愛国心を理由にその倫理的責任を不問に付す向きもある▼だが、一方の陣営の新兵器は、他方には大量殺りくをもたらし得る。「科学は誰もが普遍的に恩恵を受けるものではないのか」。宇宙物理学者の池内了さんは、科学の在るべき姿を鋭く説く(「科学者と戦争」岩波新書)▼米大統領が、史上初の核実験を偉業と礼賛したのには驚く。戦後50年の年のノーベル平和賞が、核廃絶を目指す科学者の国際組織パグウォッシュ会議に贈られた意義を、再度胸に刻む必要がありそうだ▼「この星に 人絶えはてし 後の世の 永夜清宵(えいやせいしょう) 何の所為(しょい)ぞや」。湯川博士の原子雲と題した3首の一つだ。誰のための科学なのか。問いかけに耳を澄ます75年目の広島原爆忌である。2020・8・6


 核爆弾が、人類を含めて・この地球に生息するすべてのものを破壊するという末路を憂えているのが、

「この星に 人絶えはてし 後の世の 永夜清宵(えいやせいしょう) 何の所為(しょい)ぞや」ではないかと感じられます。

 「すべての人民の生命と財産を守る責任」を放棄して、お盆の帰省を各人の「自己責任」にしてしまう「政策」とも言えない「下策」を、のうのうと押し出す「政権」は、もっと厳しく批判されてしかるべきと考えます。新型コロナの収束どころか拡大を促進する政策ばかりがなされていると思いませんか?

読者の皆様はどのようにお考えになりますでしょうか?
               石川木鐸


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