[176](投稿)小出裕章さんの闘い

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駅前に立つ 無言の抗議   北海道新聞 2020・9・19 より引用しました。

 2015年9月19日未明、国会で安全保障関連法案が成立した。「戦争のできる国にしてはいけない」と、多くの市民が街頭に立ち、抗議した。あれから5年。今も元・京大助教小出裕章さん(71)は長野県のIR松本駅前に立つ。今月3日で60回を数えた。
 「アベ政治を許さない」と書いた紙を全国各地で掲げる抗議行動。知人の作家澤地久枝さん(90)の呼びかけで15年7月に始まった。小出さんは初回に参加後、同年11月から毎月欠かさず松本駅前に立つ。シュプレヒコールを上げるわけではない。昼下がりの1時間余り、無言で、ただ紙を掲げる。
 「次の世代に戦争のできる国を引き渡すなんてことは自分には到底許せないのです」と小出さんは力を込めた。
 原子力の専門家でありながら脱原発を訴え続け、京大原子炉実験所(現・京大複合原子力科学研究所)では15年春に定年退職するまで助教(助手)のままだった。最大の悔恨は11年の東京電力福島第1原発事故だ。
 「破局的な事故が起きる前に、とにかく原発を止めないといけないと思い、ほぼ半世紀、そのためにだけ生きてきたわけですけど、結局私の願いはかなえられないまま福島の事故が起きてしまいました。原発推進の旗は降りませんでしたけど、原子力の世界に私もいたのであって、普通の人とは違う責任が私にはあるのです」
 責任を負うべきは本来誰なのか。これまで国内で運転した57基の原発は全て自民党政権下で認可された。福島事故を挟んで首相の座についた安倍晋三氏について言う。
 「福島は今も原子力緊急事態宣言が解除できないようなひどい状況なのに『アンダーコント』と言って東京五輪を誘致しました。それも到底許せないのです」
 16日には菅義偉氏が「安倍政権の継承」を掲げて新たな首相になった。
 小出さんは3日、一緒に抗議行動に参加した約40人の市民に配った手紙にこう記した。〈「安倍政治」とはアベさんと取り巻きが進めてきた政策の総体を指します。「アベ政治を許さない」という標語はこれからも意味があると思います〉
 戦争を止めたい。原発を止めたい。小出さんは来月3日も駅前に立つ。

 文・編集委員 関口裕士 

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント

 小出裕章氏は、明快に「戦争止めたい。原発止めたい」を心から願い、駅頭に立って訴えています。
福島の原発事故の収束・終息はまだまだ実現していないにも関わらず、安倍は、「アンダーコントロール」と言ってのけて、オリンピックを招致したことについても、お祭り騒ぎで、福島原発の事故を小さく見せるという策だと喝破(かっぱ)する。
 同時に、戦争に向けての準備もして、海外派遣や軍備のさらなる調達にも大枚のお金を米国に払い、沖縄の美しい海を破壊してしまうことも辞さない。
 このような「原発にも戦争にも反対」の立場を明確にし、継続的に発信しています。
読者に皆さまも、コロナ禍の時代にあっても、「戦争止めたい。原発止めたい」という趣旨に賛同しませんか!!

 以下に「フクシマ事故と東京オリンピック」という題名の小出氏の著作を紹介いたします。
ほかにも、原発関係の分かりやすい著作がいくつも出版されています。

また、そのほかの原発関係の著作も下記のアドレスからご覧ください。
まずは、著書を読まれて、原発の知識を得ることから始めてはいかがでしょうか。

https://www.amazon.co.jp/%E5%B0%8F%E5%87%BA-%E8%A3%95%E7%AB%A0/e/B001I78RPY/ref=dp_byline_cont_pop_book_1
 


フクシマ事故と東京オリンピック【7ヵ国語対応】 The disaster in Fukushima and the 2020 Tokyo Olympics 真実から目を逸らすことは犯罪である。
小出 裕章(著/文)
発行:径書房
四六判 縦188mm 横132mm 152ページ
価格 1,600円+税
ISBN978-4-7705-0228-5CコードC0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報在庫あり
書店発売日2019年12月2日登録日2019年8月7日最終更新日2020年3月13日
紹介
【7ヵ国語の訳文掲載】
専門家の立場から40年以上原発の廃止を訴え続ける元京大原子炉実験所助教小出裕章氏、待望の新刊。
「罪のない人を棄民したまま『オリンピックが大切』という国なら、私は喜んで非国民になろう」
──悔恨と怒りの思いを4600字余の言葉に込めた覚悟のメッセージ。

59頁の写真図版と7つの言語(英語、ロシア語、中国語、アラビア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語)で世界に告発する、原発事故9年目の実情と東京五輪という犯罪的愚行。152頁オール4色 。

今、私たちがやるべきことは五輪ではない!
──オリンピックは、いつの時代も国威発揚に利用されてきた。近年は、箱モノを作っては壊す膨大な浪費社会と、それにより莫大な利益を受ける土建屋を中心とした企業群がオリンピックを食い物にしてきた。しかし、今もっとも大切なのは、「原子力緊急事態宣言」を一刻でも早く解除できるよう、国の総力を挙げて働くことである。フクシマ事故の下で苦しみ続けている人たちの救済こそ、最優先の課題である。──(本書より)

世界の人々へ伝えたい。
つらい事実だけれど、これが日本の実情です。
だから、五輪は返上しなければならない!

■出版の経緯
2018年7月、元京大原子炉実験所助教小出裕章氏は、ひとりの日本人女性からの依頼を受け「フクシマ事故と東京オリンピック」と題する文章を書いた。
その後それは英訳され、同年10月、世界各国のオリンピック委員会などに書簡として送られた。今回、その原稿を基に一部加筆・修正。初めてまとまった形で出版される。