[439](投稿)北電がプルサーマル計画推進発表

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北電プルサーマル推進 泊3号機 再稼働前提に凍結撤回

 北海道電力は26日、原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電について、泊原発(後志管内泊村)3号機の再稼働を前提に推進していく方針を示した。北電は2011年にプルサーマル計画のシンポジウムをめぐる社員の「やらせ問題」が発覚し、計画を事実上凍結していたが、撤回した格好だ。 
同日、大手電力でつくる電気事業連合会が30年度までの新たなプルサーマル発電計画を公表した。計画改定は10年以来。泊3号機はやらせ問題で凍結したにもかかわらず、今回の計画でも実施対象に含まれた。北電も北海道新聞の取材に対し、実施の方針を認めた。
 泊のプルサーマル発電を巡り、北電はこれまで歴代社長らが「福島第1原発事故以降の原子力を取り巻く情勢変化を踏まえ、立ち止まって整理することとしている」と繰り返してきた。 凍結の撤回との指摘に対し、北電広報部は「まずは再稼働に全力で取り組んでいく。その上で、国の核燃料サイクル政策の中での役割を果たすため、プルサーマル発電の実現を丁寧に進めていきたい」とコメントし、従来の立場と矛盾はないとの認識を示した。 
 電事連の中熊哲弘・原子力部長は「自社で出したプルトニウムは自社の発電所で消費するのが基本原則。北電もプルサーマルをしっかりやっていただけると認識している」と強調した。 「やらせ問題」は、08年に開かれた泊3号機プルサーマル計画のシンポジウムで、北電が社員に賛意を述べるよう促すメールを送っていたことが11年に発覚。北電はこれを認め、MOX燃料の製造を当面延期するなど事実上の計画凍結を発表した。
(佐々木馨斗 02/27 05:00 北海道新聞デジタル版より引用)



■■■ 真田幸村のコメント

 北海道電力(北電)は、原発の再稼働を自社の経済観点から希求しています。原発の稼働で収入がかなり違うと北電の経営陣は考えているからです。

 しかし、「プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電」は、再稼働している中で使われる核燃料の一つですが、ウランを燃料にする場合に比べると極めて危険です。(小出裕章氏の分かりやすく書かれた著作を数冊読めば分かります)

また、ネットで「MOX燃料」「危険性」の2つの単語だけでも多くの原発の危険性やMOX燃料を使用する危険性が浮かび上がってきます。

 寿都(すっつ)町や神恵内(かもえない)村の核のごみ捨て場として手を挙げていること、とりわけ寿都町は国からの核のごみ捨て場の「文献調査費」の中の10億円を来期の予算に組み入れたことに刺激され、泊原発稼働を決めたと思います。北電の収入減を補うという金目当ては片岡寿都町長とレベルは変わりません。

 しかし、MOX燃料はウランだけの燃料ではないので、米国から買い入れた日本全国のどの原発でも使われている発電装置である「原発圧力容器」は、MOX燃料を入れて稼働させることなど想定されていない耐久性しか持っていません。しかも40年が「消費期限」です。どの原発も「消費期限」が近づいています。

 また、「圧力容器」は、取り換えることができないと小出さんは指摘しています。ですから、容易に、福島第1原発の圧力容器内のデブリ(溶け落ちた核燃料が、強烈な放射能を発している放射性核燃料の塊)に近づくことも、取り出すこともできない状態となっています。事故発生から10年になろうとしているにもかかわらず。政府は30~40年で何とかする計画と言っていましたが、実現は不可能です。

 北電の泊原発を稼働させて、福島原発の二の舞となれば、北海道や東北方面…、諸外国にも放射性物質は散乱します。

 このような危険を冒(おか)す必要がお金以外のどこにあるのでしょうか?

 また、北電は「北電は2011年にプルサーマル計画のシンポジウムをめぐる社員の『やらせ問題』が発覚し、計画を事実上凍結していた」ましたが、これを「撤回した格好」になりました。

 寿都も町民をだます手口を経済産業相などと組んで「文献調査」費などを国から取りますが、北電は自社社員を利用して、原発は良いものだ、核燃料はリサイクルできるもので利用価値があるとでも言って人民をだますつもりだったと思います。しかし、燃料にしていたウランからできるプルトニウムをリサイクルするつもりの「もんじゅ」の事故(注1)以来、事故続きで、プルサーマルは頓挫しました。

 しかし、ともかくも極めて危険な古くなった原発を稼働して、収入増加を目指しています。しかも、MOX燃料というウランだけの燃料よりもはるか危機なウランとプルトニウムの混合物を使って。

 読者の皆様はこうした北電の危険極まりない原発稼働で収益を上げていく予定の北電に「原発再稼働反対」の声を上げて行きませんか。福島原発事故の二の舞を避けるために!!

追記:

大間の危険性考えて小出さんが講演

元京大原子炉実験所助教で、40年以上にわたり反原発を訴える小出裕章さんが1日、カトリック宮前教会で講演した大間原発青森県大間町)の問題点にも言及し、「30キロという距離に住む皆さんには、危険性を踏まえ、心して考えてほしい」と語った
大間原発の建設に反対する市民グループ「大間とわたしたち・未来につながる会」(野村保子代表)が主催約200人が聴講した。

小出さんは1950年代、日本が国を挙げて原発を推進した経緯を説明しながら、「海外が70年代にリスクに気付いて撤退を開始した一方で、日本国民は“幻の夢”に酔い続けた」と指摘福島第一原発事故により、今も放射能汚染に苦しむ住民や原発作業員の現状を語った。
その上で「原発の暴走を許した大人は、責任のない子どもたちを被ばくから守らなければならない」と強調「高度な汚染を受けなかった私たちがすべきなのは、福島を決して忘れないこと」と呼び掛けた
また、大間原発が世界で初めてフルMOX燃料炉となることに関し、「日本は他の原発で分離したプルトニウムを、長崎原爆4000発分に相当する48トン保有しており、世界から危険視されている大間はプルトニウムを燃やすための原発だ」と訴えた(稲船優香)
<2015・11・2 函館新聞デジタル版より引用しました>

追加:参考文献

 「隠される原子力・核の真実 原子力の専門家が原発に反対するわけ」
小出裕章 著
 創史社 刊 1、540円